2000/08/23(水)「ホワイトアウト」

 原作を読んだのは5年前。細部をすっかり忘れていて、後半の犯人グループの描写に、「ああ、こういう展開だったか」とちょっと驚いた。映画はオープニングの冗長な演出を除けば、面白い仕上がり。原作にある「男の復権」のテーマをしっかり引き継いだのが良かったと思う。

 主人公の富樫(織田裕二)が一人で奮闘する中盤の描写がやや単調になったきらいはあるが、それを救っているのが警察側と犯人グループの描写。所轄に県警本部が乗り込んでくるという「踊る大捜査線」的シチュエーションの下、所轄の意地を見せる署長役・中村嘉葎雄の好演が光る。犯人グループのボス役佐藤浩市も異様なメーキャップで憎々しい演技を見せ適役。一番頑張っているのは織田裕二で、いや、ここまで好演するとは思いませんでした。松島菜々子は、ま、あんなものでしょう。

 原作者の真保裕一が脚本に加わり、15稿まで書いたそうだ。それが原作のテイストを壊さなかったことにつながったのではないかと思う。映画独特のアイデアも含まれ、原作を読んだ人も楽しめるのではないか。