2018/03/25(日)「B:The Beginning」

 Netflixが3月2日から配信を開始した全12話のアニメーション。プロダクションI.G製作なので見る気になり、予備知識ゼロで見た。スタイリッシュな絵と語りの勝利と言うべき作品であり、見る価値のあるアニメだと思う。

 架空の群島国家「クレモナ」で、凶悪犯罪者が殺される事件が連続する。現場に毎回「B」の文字が残されることから、犯人は「Killer B」と名づけられた。天才捜査官キース・フリックは王立警察特殊犯罪捜査課(RIS)に復帰し、「Killer B」の謎を追う。キースの同僚・星名リリィの実家のバイオリン工房には、黒羽(こくう)という少年が職人見習いとして出入りしていた。

 序盤は話の全貌を見せない。導入部分はどう見てもシリアルキラーが登場するミステリ的様相だが、だんだんSF(と言うよりはファンタシー)の方に移行していく。黒羽がその名の通り黒い翼を持つ少年であることが分かるのは第3話になってから。敵の全容が分かり、物語の本質が明らかになるのは第6話においてだ。だから僕は第6話までがとても面白かった。この脚本について脚本・監督の中澤一登はこう語っている(“独りぼっちの絵描き”が生み出した逸物 中澤一登、「B: The Beginning」を語る)。

「B: The Beginning」は根っここそシンプルな話ですが、それに複雑な着物を着せたら面白いかなと思ったんです。人間関係がこねくり回されているようなアニメを見たことがなかったのも、そうしたものを作りたいと思った背景にあります。

 何を語るかは重要だが、どう語るかも重要で、ミステリではこういう話の構造は珍しくない。7話以降は、謎は残るものの普通の構成になり、キースと黒羽それぞれのクライマックスを描く最後の2話もあまり効果を上げているとは言いがたい。つまり終盤が少し弱いのだけれど、序盤の面白さで走り終えた印象だ。敵が殲滅されたわけではなく、続編を作れるラストになっているので、第2シーズンの製作を期待したい(タイトルは変える必要があるだろうな)。

 全世界に配信されているためIMDbにはもう評価が上がっていて(B: The Beginning )、シリーズ全体で7.6の評価になっている。個別のエピソードを見ると、高い点を得ているのは僕の見方とは違って後半の話だ。

 エンディングで流れるテーマ「Perfect World」(マーティ・フリードマン feat. Jean-Ken Johnny, KenKen)は個人的にはツボ。格好良いので繰り返し聞いている。

2018/03/21(水)「アナイアレイション 全滅領域」

 「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランド監督、ナタリー・ポートマン主演に惹かれて見た。Netflixオリジナル作品ということになっているが、Wikipediaによると、アメリカと中国以外の全世界配給権をNetflixに(恐らくパラマウントとスコット・ルーディン・プロダクションズが)売ったのだという。当たり外れの多いNetflixオリジナル作品の中では当たりの方で、良い出来と思ったが、最初からオリジナルではなかったわけだ。

 原作はSF作家ジェフ・ヴァンダミアのサザーン・リーチ3部作の第1作。最近のSFには疎いのでこの原作もまったく知らなかった。いや、「全滅領域」というタイトルは書店で見かけた覚えがあるが、手には取らなかった。

 宇宙から飛来した物体の衝突によって謎の領域エリアXが出現する。監視機構サザーン・リーチに派遣された元米陸軍兵士で生物学者のレナ(ナタリー・ポートマン)は心理学者のヴェントレス(ジェニファー・ジェイソン・リー)、人類学者ソレンセン(ジーナ・ロドリゲス)ら4人とともに調査隊としてエリアXに入る。そこはGPSも電波も届かず、生態系が異様な変化を遂げ、拡大を続けていた。一行は沼地で巨大なワニに襲われる。ワニの歯はサメの歯のような特徴を持っていた。さらに謎の怪物に襲われ、隊員の1人が死亡する。隊員たちはこの領域から脱出を決意する。

 IMDbの評価は7.2、メタスコアは79。ラストに含みを持たせて終わるのは「エクス・マキナ」と同じだ。ただ、原作が3部作の第1作なので、きちんと完結しないのは当然とも言える。

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