2014/09/06(土)「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海」

 中高生向けかと思ったら、小中学生向けのようだ。可もなく不可もなしのレベル。子供にせがまれて一緒に見に行く親もそれほど退屈せずに見られるレベルにはなっている。本当は親ものめり込んで見るような映画が望ましいのだけれど。

 こうしたファミリー映画が興行上強いのは日本もアメリカも同じなのだ。クロノスがあんなに簡単に倒されて良いのだろうか。あれでは神ではなく、単なる怪物だ。

2014/09/06(土)「ホワイトハウス・ダウン」

 これだけ見れば、そこそこの出来になっているが、先行作品のアイデアを引っ張ってくるだけでは情けない。定番の「ダイ・ハード」にロバート・アルドリッチ「合衆国最後の日」の風味を加えてみました、という感じの映画だ。

 特に「ダイ・ハード」の細部まで真似ているのが気になる。テロリストに1人のヒーローが立ち向かうという設定は同じでも仕方がないが、細部のエピソードにはオリジナルがほしい(「エンド・オブ・ホワイトハウス」もそうだった)。脚本家はお手軽に考えず、本気でアイデアを絞り出してはどうか。

2014/09/01(月)コメントスパム急増

スパムの推移

 久しぶりにWordPressのダッシュボードを見てみたら、コメントスパムが大量に登録されていた。8月だけで3039件。すべてAkismetが捕捉しているので表面に出ることはないし、15日間で自動削除されるのだけれど、こんなに多いと気になる。

 スパムは今年4月から徐々に増えている。4月156件、5月366件、6月867件、7月2263件という具合。どれも同じページから投稿されていて、内容は日本語のショッピングサイトに関するものばかり。国内から発信されているのか。コメント欄は記事投稿後2週間で閉じているのに、どうして投稿できるのか不思議だ。コメントのある記事への投稿なので、恐らくURLを直接たたけば、コメントできてしまうのだろう。→ 違った。コメントはメディアのページから投稿していた。ここはデフォルトでは投稿欄を閉じることができない(プラグインを使えばできるようだ)。それにしても、メディアのページって表面からリンクは張ってないんですけどね。

 これ以上増えるようなら、該当のIPアドレスをアクセス禁止にしようと思う。→ その後、70以上のコメントスパムがあったのでアクセス禁止にした。

2014/08/31(日)石けんシャンプーと筋トレ

 昨年12月中旬、頭皮の湿疹がひどくなって病院に行った。ステロイド系の塗り薬などをもらい、「シャンプーは石けんに変えた方が良い」と医師のアドバイスを受けた。普通のシャンプーを使うと、頭皮がしみて痛かったのだ(これ、相当にひどい症状だ)。生協で液体石けんシャンプーを買い、使い始めて2カ月ほどで頭皮の湿疹はすっかり良くなった。フケも出なくなった。1カ月ほどは塗り薬も使ったので、石けんシャンプーが良かったのかどうかはよく分からない。とりあえず、それ以来、シャンプーは石けんである。

 石けんシャンプーは7年ほど前までも使っていた。やめたのは白髪を目立たなくするシャンプーを使い始めたからだ。ヘナ入りのシャンプーで、長年使った経験から言うと、白髪を目立たなくする効果はあまりなかった。使い方が悪かったのかもしれないが、気休めみたいなものだったなと今では思う。

 ヘナ入りシャンプーをやめて白髪が一気に増えたかというと、そんなことはない。むしろ、以前より減ったような気がする。以前は側頭部に目立っていた白髪が目立たなくなったのだ。これ、自分でそんな気がしているだけで、他人から「白髪が減りましたねっ」とはっきり言われたことはない(2カ月ほど前、散髪屋の主人に「あれ? 白髪染めは使っていないよね?」と聞かれたことはある)。だいたい他人は他人の頭に白髪が多かろうが少なかろうが、そんなに気にしてはいないのですよ。

 で、なぜ白髪が減った(と思える)のか原因を考えてみた。検索してみると、石けんシャンプーは白髪や抜け毛の予防効果があるという意見の一方で、効果はなかったという声もある。僕自身、白髪が目立ってきたために石けんシャンプーをヘナ入りシャンプーに変えたぐらいだから、石けんシャンプーだけの効果とは言えないだろう。原因として思いつくのは4月下旬から始めた筋トレだ。

 筋トレをすると、傷んだ筋肉を修復するため成長ホルモンが分泌される。それによって筋肉が以前より大きくなる(これを超回復と言う)。同時に成長ホルモンには若返り効果があると言われる。細胞の新陳代謝を促進するからだ。ということは髪の毛の成長にも一定の効果がありそうだ。「筋トレ 白髪」で検索してみると、確かに効果があるとの意見がある→筋トレ(加圧トレーニング)と成長ホルモン-白髪を減らす&増やさない.com

もう一つの原因と思えるのは昨年10月から始めたダイエット。摂取カロリーを抑えることで月に数百グラムの減量を目指す緩やかなダイエットで、合計6キロほど体重を減らした(現在のBMIは標準の22を下回っている)。食事のコントロールは血糖値のコントロールにつながる。老化を促進する物質AGEは血糖値が高い状態で分泌される。AGEの分泌を減らすには血糖値を低く保っておく必要があるのだ。間食を一切やめ、ご飯の量を少し減らして(糖質の摂取を少し制限して)いく食生活を続けたお陰でAGEの分泌を抑えられ、白髪が減ることにもつながったのではないか。ただ、ダイエットをすると、脂肪だけでなく、必ず筋肉も落ちる。女性の場合はあまり気にならないでしょうが、男は筋肉が落ちると、体つきが貧相になってしまう。だから筋トレを始めたわけです。

 というわけで、どれが白髪を減らすことにつながったのか決定的なことは言えない、石けんシャンプーとダイエットと筋トレと食生活に気をつけることが総合的に作用したのだと思う。そもそもが気のせいということも十分に考えられる。

 筋トレに関して付け加えておくと、徐々に負荷を上げ、6月から腕立て伏せ150回と腹筋(レッグレイズ)180回を1日おきに交互にやってきた。1カ月ほどで効果は見えてきて、このまま行けば腹筋が割れるかもと思えた。しかし、そう簡単に腹筋は割れないので「腹筋を割る技術 」(amazon)という本を読んでみた。著者はEXILEメンバーなどのトレーニングを指導している人。この本で紹介されているクランチとツイストクランチのやり方も取り入れ始めたが、まだ3日目なので効果は見えない。続ければ、体をより引き締めることにつながるのではないかと期待している。

 この本、内容は筋トレの初心者向けと言える。より詳しく筋トレについて知りたい人はスロートレーニングの第一人者である石井直方さんの著作が役に立つと思う。

2014/08/08(金)「世界の果ての通学路」

 世界4カ国の子供たちの通学風景を描くドキュメンタリー。出てくるのはケニア、モロッコ、アルゼンチン、インドの子供たちで、学校まで20キロ前後もある道のりを2時間から4時間もかけて通う。彼らはなぜそんな過酷でつらい思いをして学校へ行くのか。父親の一人は「勉強して人生を切り開け」と言う。現在の貧困を抜け出すには勉強して良い勤め先に就職することが必要なのだ。彼らにとって学校は夢や希望へと続く道なのである。

 4時間も歩いて通うのは大変だけれども、彼らには夢や希望があるから乗り越えられる。そこそこ満ち足りた生活をして、なぜ勉強しなくてはいけないのか分からない子供も多い日本とは大違いだ。なんてことを考えながら見ていて、ケニアの兄妹がゾウに襲われるシーンで「おや?」と思った。

 「なぜカメラマンは逃げないんだろう?」

 ゾウに襲われたのなら、カメラマンも一緒になって逃げるはず。しかしカメラは微動だにせず、逃げていく兄妹の後ろ姿を撮っているだけ。次のカットでカメラは逃げる兄妹を崖の上から撮り、その次のカットでは逃げてくる兄妹を前から撮っている。1台のカメラでこんな撮り方をするのは不可能だ。カメラが3台あれば可能だが、あらかじめカメラマンを配置しておく必要がある。この場所でゾウが襲ってくるのが事前に分かるはずはないから、配置しておくのも無理だ。つまり、このシーン、明らかに演出なのである。

 その後のシーンにも至る所に演出らしきものが目について、もしかしたらこれ、普通の子供たちに演技させたフィクションなのではないかと思えてくる。

 パンフレットによると、撮影はチーフカメラマンと録音技師とパスカル・プリッソン監督が行ったそうだ。問題のゾウのシーンについて監督はこう言っている。

「そしてある朝、撮影隊が子どもたちと一緒にいたとき、数頭の象が襲ってきたんだ!ふたりはあっという間に走って逃げ去り、私たちも慌ててふたりの後を追ったが追いつけなかった」

 はあ? 追いつけなかったあ?

 ちゃんと前方から撮っているのに!

 なんなんだろう、この監督。なんでこんな嘘を言うのか訳が分からない。

 というわけで、どうも信用できない映画、という感想にならざるを得ない。ドキュメンタリーにいくらかの演出はつきものだが、見え透いた演出はシラける。

 だいたい、1カ所につき12日間かけて撮った映画を1日の通学風景のように見せている時点でドキュメンタリーを名乗るのはどうかと思う。ドキュメンタリーを強調せず、単なる実話を基にしたフィクションとしてパッケージングすれば良かったのではないか。どこまでが本当でどこまでが嘘なのか分からないと、感動していいのかどうか判断に困るのだ。

 あのインドの車いすの少年も本当は足に障害などなく、映画の撮影が終わったら、元気に走り回っているのではないか、と疑いたくなる。ついでに邦題にも文句を付けておくと、「世界の果て」はひどい。いったいどこから見た世界の果てなのか。子供たちにとっては自分の住んでいる場所こそが世界の中心だろう。