2016/07/05(火)Xperia X Performanceの印象

 2年使ったシャープ AQUOS Phone SHL25から機種変更した。またシャープでも良かったのだが、銀行・金融関係のアプリをたくさん入れているので指紋認証があった方がセキュリティー的に良い。ただし、Androidでは指紋認証が使えるアプリはまだ少ない。住信SBIネット銀行もじぶん銀行も対応していない。僕が入れてるアプリでは楽天カードだけが対応していた。

 Xperia Xの指紋認証は電源ボタンにあるので、登録した指で電源ボタンを押すだけ(あるいは押して少しずらすだけ)でロック解除できる。片手のワンアクションは便利だ。指は複数登録できる。左手人差し指と中指、右手人差し指を登録した。再起動後はPINの入力が必要だった。

 デザインや機能に不満はないが、難点は小さなQRコードの読み取りがなかなかできないこと。タバコのパッケージにある1センチ四方以下のQRコードはSHL25ではすぐに読み取ったが、Xperia Xはピントが合いにくい。カメラアプリの方は近いところを撮影しようとすると、自動でマクロモードになるが、普通の読み取りアプリにそんな機能はないのでこういうことになる。

 あと、昨日はauスマートパス版のマネーフォワードが対応していなかった。今日見たら対応していたのでインストールした。DTCP-IPに対応したDLNAアプリが入っていないのは残念。バッテリー容量が少ないので電池の持ちはSHL25より劣る。WOWOWメンバーズオンデマンドにはまだ対応していない(これはWOWOW側の問題)。あまり使わないけど、amazon FireTVにはディスプレイミラーリングできた(設定→機器接続→スクリーンミラーリング)。Googleキャストにキャストできるそうだが、機器を持っていないので分からない。

 機種変更で気をつけなければいけないのは二段階認証を設定している場合。前回、某金融機関のアプリで失敗したので変更前にGoogleの二段階認証や住信SBIネット銀行のスマホ認証はいったんオフにした。nanacoやSuicaなどおサイフケータイアプリは事前に変更手続きを行った。変更後にこれらをオンにした。これで大丈夫かと思ったら、JAFのデジタル会員証が登録できない。スマホ2台では使えないという。SHL25を起動して変更手続きをしてOK。こういう時、スマホを下取りに出していると困るだろうな。

 SHL25は通話やモバイルネットワークの利用ができなくなったが、Wi-Fi環境があれば、その他の機能は普通に使える。DLNAアプリの家電AVリンクが入っているので、ブルーレイに録画した映画などはこっちで見よう。

 ケースはamazonでレイ・アウト Xperia X Performance 手帳型ケース 本革 スナップボタン/ダークブラウン RT-RXPXPRLC2/DKを買った。ぴったりして良い感じだ。カードを入れるスリット付き。磁石型だと、磁気でカードがダメになるかもしれないのでスナップボタン式を探したら、良いのはこれぐらいしかなかった。スナップボタンがちょうど電源ボタンのそばに来るので押しにくくなった。内部のポリカーボネイトケースが硬いのでいったん嵌めると取り外すのに手間取るが、スマホ本体の保護には有効だろう。ストラップ用の穴もあるので、硬い素材を使ったのかもしれない。ちなみにカバーをしたままでもnanacoは使えた。

2016/07/02(土)「リップヴァンウィンクルの花嫁」 前半は論理的、後半は情緒的

「リップヴァンウィンクルの花嫁」パンフレット

 上映時間3時間。最初の1時間余りは快調だった。派遣教員の皆川七海(黒木華)がSNSで知り合った男と結婚し、義母に浮気の疑いと嘘を責められて離婚させられ、安ホテル住まいをするあたりまで。その後映画は変調する。ポンポンポンポンと進んだ話が途端にスローペースになる感じ。前半を緻密な計算で組み立てた密度の濃い話とするなら、後半は感情に基づいて出来上がったような印象を受ける。前半は論理的、後半は情緒的と言うべきか。

 キネマ旬報4月上旬号(1713号)の黒木華のインタビューによると、撮影開始時には脚本が完成していなかったのだという。それならば、僕がそう感じてもおかしくはない。インタビューを引用しておこう。

 「原稿のままの脚本で、七海を軸にした大体のストーリーはあるんですが、完成していないものでした。出来上がった映画は最初に貰った脚本とは全然変わっていて、映画ができるまで、脚本は本当に完成していなかったんです。撮影をしながら、シーンがどんどん増えて、物語は肉づけされて、必要ないと判断されたものは削られていく。そうした変更が監督から撮影の前々日とかに伝えられて、当日に、こういうふうにしようと思うものを渡されたので、いつも集中してました。一緒に場面を作っていってる感じでした」

 もちろん、黒木華はこれを否定的には語っていない。脚本の続きを直前に渡されたから、演技に集中しなければならなかったということを強調している。1年近くかけて撮影したのだから、ストーリーを練る時間は十分あっただろう。それでも撮影しながら話を作っていくと、微妙に不完全な部分が出てくるのではないか。やはり脚本は撮影前に完成していることが望ましいのだ。

 その脚本は黒木華にあて書きして書かれたそうだ。だからなおさらなのだろうが、黒木華に関してはとても良い。控えめな性格で自分に自信がなく、おどおどして流されていくキャラクターを黒木華は初々しく、かわいらしく演じている。七海は「声が小さいからマイクを使って」と生徒に言われ、真に受けて使ったために学校をクビになる(ちょうど結婚が決まったところだったので、表面的には寿退職ということになる)。両親は離婚しているが、結納ではそれを隠して出席。結婚式に呼ぶ親族が少ないので、何でも屋の安室行舛(アムロ、行きます。ネットのハンドルはランバラル=綾野剛)に頼み、出席者をそろえる。夫の浮気を疑って安室に調査を頼むと、予想外の展開となり、逆に義母から浮気を疑われてしまう。やることがすべて裏目に出て離婚することになり、住む所もなくなるという前半は大変面白い。

 後半は安室に頼まれた仕事で一緒になった真白(Cocco)との交流がメインになる。後半のタッチはロマンティシズム、リリシズムの得意な岩井俊二らしいのだけれど、前半のあれよあれよという展開に比べると、話の密度としては物足りない思いが残る(前半より後半がいいという人もいるだろう)。これなら3時間もかけず2時間程度でも良かったのではないか。ネット配信の特別版は2時間だが、それでも十分話は通るのだろう。