2016/07/20(水)「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」

 暑くなると、筋トレもウォーキングもおろそかになりがち。カツを入れるために筋トレ関係の本を探したら、この本にヒットした。「TBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』で紹介され、大反響!」と紹介にあるが、個人的にツボなのは著者の岡田隆さんが「石井直方教授に師事」とある点。石井直方さんの本は10年ほど前、ダイエットと筋トレに励んでいる頃、よく読んだ。数ある筋トレ本の中でもっとも論理的かつ明快だったのだ。スロートレーニングのやり方を解説した「体脂肪が落ちるトレーニング」は当時の僕のバイブルだった。

 その「体脂肪が落ちるトレーニング」に「最強」の2文字を加えた本書はHIIT(ヒート)について解説している。HIITとはHigh Intensity Interval Trainingの略。20秒間の高強度運動をして10秒間休み、これを8回繰り返す。たった4分間のトレーニングだが、これによって基礎代謝量が増え、その後48時間何もしないでも800キロカロリー消費した報告があるという。基礎代謝量は年齢と体重、筋肉量などに左右されるので800キロカロリーがすべての人にあてはまるわけではないが、燃焼効果が持続するのはメリットだ。

 本書にはDVDが付属しているので見ながらやればいい。最初のメニューはリザードウォークとスパイダーウォーク。リザードは腕立て伏せの体勢から右手を前に左足を大きく前に出して体を沈めながら前進する。スパイダーは仰向けで両手両足をついて後ろに進む。どちらも部屋が広くないと、すぐに壁や障害物にぶつかってしまうが、そういう場合はUターンしたり、逆方向に進んだりする。

 ベーシックプログラムはスライドスクワット、プッシュアップキック、スーパーマンフライ、シットアップリーチの4種類。いずれも1セットが20秒間なのでそんなにきつくはなく、初心者向けのプログラムだが、繰り返すとけっこうな運動量だ。僕は普段から腕立て伏せと腹筋、ダンベル運動はよくやっているが、これだと動かす筋肉が限られる。ストレッチ効果もあるHIITは全身をくまなく動かす感じがあり、気持が良い。今の時期だと、これだけで汗が噴き出してくる。さらにこれより強度の高いトレーニングも紹介されているが、そっちはまだやってない。

 本書の中でおっと思ったのは「脂肪燃焼が始まるのは運動開始20分からというのは誤解」という指摘。糖も脂肪も運動開始直後から消費されるが、20分たつと脂肪燃焼が糖の消費を上回るというのが正しいそうだ。筋トレの後に有酸素運動をすると、脂肪燃焼効果が進むと言われる。HIITをやったらウォーキングをしよう。

 ウォーキングと言えば、ポケモンGOがうつ患者を世界中で癒やしている理由という記事があった。「それは歩くことで、うつと関連性が深い脳内ホルモンであるセロトニンの分泌が促され」、うつの緩和に効果があるそうなのだが、うつの人は外に出たがらない。Pokemon GOをやるには外に出て歩かなくてはならない。最初の関門を突破できるので、うつの人には打って付けらしい。崖から落ちたり、交通事故にあったり、危ないと指摘のあるPokemon GOだが、メリットもあるわけだ。

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