2006/01/27(金)映画興行対談
キネマ旬報映画総合研究所の中にある。第6回は「男たちの大和」を取り上げている。「大和」の興行収入は最終見込み50億円のセンもあるそうだ。未だに中高年が見に行っているので、ヒットしているのだなあと思う。
映画興行対談は大高宏雄と掛尾良夫が毎回、ヒットした日本映画を取り上げて、ヒットの要因を探る対談。興行的な価値から見る映画というのも面白いと思う。
大高宏雄はキネ旬2月上旬号で「キング・コング」の興行が目標を大きく下回ったとして76年のジョン・ギラーミン版と比較した文章を書いている。その年の正月興行は「キングコング」と「カサンドラ・クロス」の一騎打ちで、「キングコング」は出足で躓いたが、冬休みになって盛り返し、結局、30億円の興行収入を上げたという。
そうか、「カサンドラ・クロス」か。僕も当時、「キングコング」よりはこちらの方が面白かった記憶がある。監督はジョルジュ・パン・コスマトス(ジョージ・P・コスマトスと表記されることもある)。映画はオールスター・キャストで今となっては内容よりもジェリー・ゴールドスミスの音楽の方が印象に残っている。主演はリチャード・ハリスなので、「ジャガーノート」の延長で見に行ったのだった。コスマトスは当時、スピルバーグと比較されたりもしたが、その後はまったく目立たない監督になってしまったなあ。
2006/01/16(月) ネタバレ
清水崇の「輪廻」を見て、この中心となるトリックは過去にも見たことがあると思ったのだが、具体的なタイトルはなかなか思い出せなかった。ようやく思い出したのがケネス・ブラナーのあの作品。リーインカーネーションも出てくるし、ほぼ同じトリックと言っていい。ただし、随分前に見たので自信がない。ネットで検索したら、懐かしの映画館 近松座というページにたどり着いた。
ここは古い映画を紹介したページで、「近松座の映画は全てネタばれです。ご注意ください」とトップページに書いてある。ケネス・ブラナー作品のトリックも確認できた。
一般的にネタバレはルール違反だし、僕も感想書く時にはネタをばらさないようにしているが、こういうページも必要だなと思う。資料的に価値があるのである。goo 映画は以前の作品についてはすべてネタをばらしたストーリー紹介を書いていたが、最近のはネタバレしないように書かれている。これだと、調べる際に困るのである。資料として役に立たない。ネタをばらされるのが嫌なら、見る前に読まなければいいのだから、資料的なページでの明記した上でのネタバレは許されるのではないかと思う。
子供の読んでる本
長男(10歳)が「魔女がいっぱい」という本を読んでいる。誰の小説かと思ったら、ロアルド・ダールだった。「ダールって面白いよ」と長男。なるほど、ダールは童話もたくさん書いているからなあ。ダールの作品はこのほかにもいろいろ読んでいるようだ。もう1つ、上下本も持っていた。こちらは「ドラゴンの眼」と言い、作者はなんとスティーブン・キングだった。キング唯一のジュブナイル、と長男に教わった。後書きに書いてあったそうで、キングが自分の子供のために書いた小説なのだという。
ちなみに僕が今読んでいるのは「回想のビュイック8」。もちろんキングの小説。親子が同じ作家の本を読むというのも何だかなあではある。
2006/01/13(金) 「99%の誘拐」がヒント
新聞記事にあった(最初に書いたのは毎日か)。仙台市の乳児連れ去り事件で犯人がヒントにしたのは岡嶋二人のこのミステリではないかという。身代金受け渡しの際に院長を電車や車でいろいろと引き回すのも似ている。この記事、犯人の供述に基づいたものではなく、単なる憶測だが、ありそうな話ではある。
原作では発煙筒をたいて、一軒家から男の子を誘拐する。犯人はそれを病院に置き換えたわけだ。この事件の身代金受け渡しの経緯は、ここだけ、本格的な計画的犯行という感じがしたのは小説を参考にしたためなのか。犯人、小説の場面を宮城県のロケーションに必死に置き換えたのだろう。最後はどうやって受け取るつもりだったのだろう。そこが気になる。原作では犯行にコンピュータが駆使されているが、今回の事件ではそれはなかった。ああいうシステムを作る力が犯人にはなかったのだから当然か。
ま、小説を実際の事件に使った例として有名なのはグリコ・森永事件があるから、こういうことは常に起きうることなのかもしれない。「この文庫がすごい!」で1位になって、売れている小説を犯行に使うとは、犯人、分かりやすいやつだな。
2006/01/10(火) キネマ旬報ベストテン
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