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2000年12月06日の記事

2000/12/06(水)「タイタス」

 シェイクスピアの初期の残酷な戯曲を映画化したもの。IMDbでチェックしたら、一般観客の評価は10点満点の7.8点。いい評価だったのである。

 監督は舞台の方の「ライオン・キング」で評判を集めたジュリー・テイモア。予告編は気味の悪い場面が強調されていたので不安だったが、本編を通してみると、そうでもなかった。といっても両腕を切断し、枯れ枝を代わりに刺し、舌を切り取られた女の姿はやはり悲惨。だいたい、ヤクザ映画の指を詰めるシーンでさえ、拒否反応を起こすくらいなのでこういうシーンは嫌いである。

 快、不快で言えば、不快なシーンの多い映画だ。映像的にはローマ時代の話なのにナチスの扮装をした軍人が出てきたり、ゲームセンターがあったり、ネクタイを締めている人物が出てきたり、自動車やバイクが出てきたりする。もちろん、ジュリー・テイモアは承知の上で演劇的な手法を採っているのだが、効果的かどうかは別にして映画のリアリズムからは遠い手法と言わねばならない。

 復讐に次ぐ復讐が血で血を洗う闘争として2時間42分にわたって描かれ、見応えはあるものの、ややうんざり。そんなに時間をかけてその程度のことしか描けないのか、という気もする。フェリーニやヴィスコンティ的映像もあるが、主人公のタイタス(アンソニー・ホプキンス)が基本的にバカなのであまり共感を持てない(皇帝候補の兄弟のうち、どう見てもアホな兄の方を皇帝にすることからしてバカである。その後の不幸は自業自得だ)。

 それにしてもこのねちっこい映像は西洋的な感覚だろう。それとも女性独特のものか。「ボーイズ・ドント・クライ」のキンバリー・ピアースも映像的にはどぎつかった。僕はもっと淡泊な映画がいい。

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