2016/02/13(土)DST

 ダイナミック・セーフティ・テスト(DST)は休刊した自動車雑誌NAVIで特に愛読したコーナーだった。元レーシングドライバーで自動車評論家の清水和夫が毎回クルマを複数台取り上げて直線加速ブレーキ、ハイスピード・ライディング、ダブル・レーン・チェンジ、ウエット旋回ブレーキの4項目についてテストする。クルマの限界性能を見るテストだが、限界性能はもちろん基本性能と直結しているので、とても参考になった。自分が乗っているクルマが低評価だとがっかりするのだけれど、DSTはクルマの評価として一番信頼できるものではないかと思う。

 DSTはNAVIの休刊に伴ってStart Your Eenginesに移行したが、有料サイトだったので見ていなかった。うれしいことに昨年12月から無料化された。YouTubeでも一部が公開されている。ゴルフ7を日常の足に使っている者としてはやはりゴルフ7の評価が気になるので、まず「プジョー308 VS ゴルフTSIコンフォートライン」。

 プジョー308とゴルフ7、普通に考えれば、ゴルフ7の圧勝かと思うが、とんでもない。4項目すべてでプジョー308の勝ちだ。プジョー308の方が設計年度が新しいのだけれど、それを考慮しても非常に意外な結果。プジョーを見直した。ゴルフ7はDSGによる発進がもたつくし、ダブル・レーン・チェンジでもプジョーに比べると、左右のブレが大きい。動画で見ると、それがはっきり分かる。

 ゴルフ7は2012年に登場した時は乗り心地が格段に良くなったと高い評価だった(日本での発売は2013年)。クルマの性能は毎年進化するものだから、いつまでも最初の評価にこだわっていてはいけないのだ。それにしてもプジョーがねえ……。

 続いて「ホンダ・シビック・タイプR VS ゴルフ7GTE」。普通のターボエンジンとプラグイン・ハイブリッドの対決は少し違うんじゃないかと思うが、限界性能に関してはエンジンの違いはあまり関係ない。これは評判の高いタイプRの圧勝かと思いきや……。

 タイプR、メタメタである。「ブレーキペダルが小さい」「スタビリティーが足りない。リアが怪しい」「アンバランス。昔のやんちゃなクルマ」等々。馬力だけを大きくしてユーザーにアピールした昔のクルマの設計思想を思い起こさせるようなコメントばかりだ。結果は以下の通り、2勝2敗。合計ポイントではタイプRが1ポイント勝っている(得点はタイプR、ゴルフの順)。

直線加速ブレーキ 9.0 7.5

ハイスピード・ライディング 3.5 4.5

ダブル・レーン・チェンジ 4.0 4.5

ウエット旋回ブレーキ 4.0 3.0

合計 20.5 19.5

 ニュルブルクリンクで最速ラップを記録したと話題になったが、ハイスピード・ライディングの点数が良くないのでドライバーは怖い思いをしたのではないか。タイプRは予定の750台を既に完売して買おうと思っても買えない。悔しがる必要は全然ないと思う。

 メルセデスの金言に「シャシーはエンジンより速く」というのがある。シビックのシャシーに310馬力もの強大なエンジンを積む思想は古いのだろう。

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