2004/12/25(土) MHonArc

MLのメールがたまってきたのでMHonArcでHTMLに変換することにした。MHonArcのインストール自体は簡単で、perl install.meで質問に答えるだけ。

サーバーのfmlのディレクトリにあるメールをダウンロードして、C:\spoolにコピー。HTMLを吐き出すディレクトリをC:\mlにしてコマンドプロンプトでC:\spoolに移動。

mhonarc . -outdir C:\ml

で、OKのはずだが、エラーが出る。fmlのメールは1 2 3 4 …という番号だけのファイルで、拡張子がない。これがいけないかと思い、.txtを付けてみたが、ダメ。.emlでもダメ。ところがファイルを直接指定して実行すると、うまくいく。

どこがいけないのかいろいろ試してみたら、添付ファイルのあるメールで失敗しているようだ。添付のあるメールをすべて削除して実行したらうまくいった。MHonArcには日本語名添付ファイルで文字化けのバグがあるそうだが、HTML化できないわけではないようだ。設定ファイルで回避できるのかな。

emlXtracter

 MHonArcで試行錯誤している時に見つけたのがこのソフト。「UNIX mbox 形式、UNIX mh 形式、@nifty Webメールで一括保存したテキストファイルなどから電子メールメッセージを抜き出し、Outlook Express メールメッセージ形式 (.eml) に保存」する。ファイルは00001.eml 00002.emlと連番になるので都合がいい。

 鶴亀メールは1メール1ファイル形式にも設定できるが、設定していずに受信したメールを分割するのがけっこう面倒だ。このソフトを使うと、簡単に分割してくれる。ただ、鶴亀はメールの区切りに余計な文字列が入っているので、これを削除する必要もある。正規表現で置換できそうですけどね。MHonArcを使う予定があるなら、1メール1ファイルで保存しておいた方がいいようだ。

2004/12/24(金)「ゴシカ」

 ハル・ベリー主演のホラー。ちっとも怖くないのが困ったものだ。女子刑務所の精神科医ハル・ベリーがある夜、帰宅途中に下着姿の少女に出会う。少女のそばに近づいたベリーはそこで記憶が途切れる。気づくと、自分が勤務していた刑務所の中。ベリーは夫を殺したとして逮捕されていた。いったい何が起こったのか。孤立無援のベリーはなぜかあの少女の幽霊を見るようになる。

 因縁話に少女暴行犯の話を絡めてというプロットは当世風だが、話の展開の仕方は古い。ベリーはB級映画にも出る方針らしいからいいのだが、ペネロペ・クルスはほとんど演技のしどころのない役柄で、出る意味が分からない。監督はマシュー・カソビッツ。

2004/12/24(金)「ぼくんち」

 休みなのだが、まだ映画館に行くのは不安なので家でDVDを見る。阪本順治「ぼくんち」(2003年、キネ旬ベストテン10位)を見ていたら、これがまた肋骨に悪い出来。おかしくて何度も笑って苦しんだ。阪本監督作品としてはちょっと変わった映画だけど、人物のおかしさは「どついたるねん」あたりと共通する。子役2人もかわいいし、観月ありさに何より感心。中盤、トラックの荷台に立って、タンカを切るシーンなどぴたりと決まっている。傑作だと思う。

 しかし大笑いしたのは本編ではなくて、メイキング。岸部一徳と3人の子供のビニールハウスの場面で、阪本監督は岸部一徳に「ここで何かやってください」と頼んだそうだ。アドリブである。そこで岸部一徳が何をやったかというと、飛んでいるハエを手で捕まえる仕草を2回やった。「下妻物語」で樹木希林がやった仕草ですね。これ、本編の方でも笑ったが、アドリブと聞くとますますおかしくなる。

 「ぼくんち」の衣装合わせでは、あまりにもボロボロの衣装に温厚な岸部一徳もさすがにムッとしたそうだが、この人ははまり込むとホントにおかしい。

2004/12/23(木)爆笑厳禁

 骨折して5日目。そろそろ痛みが収まってくるのではと少なからず期待していたが、まだまだ痛い。痛みには慣れてきたが、痛いのに変わりはない。一番の敵は笑いと咳である。幸いなことにクシャミはまだ出ていない。これが一番痛いんだろうと想像する。咳はなんとか我慢できても笑いはなかなか我慢できない。ついつい笑ってしまうと、体を折り曲げて痛がることになる。すると、ますます痛い。

 きょうも家で爆笑してしまい、七転八倒した。いや本当に転がったわけではない。そんなことをしたら、痛みは想像を絶する。

 宿題をしていた長女がこう聞いた。

 「『進む』の反対は何?」

 家内が答える。「退くでしょう。進退って言うから」

 長女のそばにいた小学1年の次女がポツリと言った。

 「むすす」

 これがいけなかった。笑いと痛みが同時にこみ上げてきて、我慢できない。くずおれて苦しむ羽目になった。「むすす」という語感がおかしかったからではない。僕が冗談で言おうと思っていたのに先を越されたからだ。「こいつ、同じこと考えやがって」と思ったらおかしくてたまらなくなったのである。苦しんで体を震わせていると、体の中で「ベリッ」という響きがあった。

 うーむ。形成され始めた仮骨が剥がれたのかもしれない。家にいると、肋骨骨折はなかなか治りませんね。かといって、会社でも昨日、爆笑してしまって苦しんだんですけどね。

2004/12/23(木)「ラブ・アクチュアリー」

 クリスマスに見るにはぴったりのラブストーリー。クリスマスの5週間前からクリスマス当日を経て、その1カ月後まで、いくつかの愛が並行して描かれ、それぞれにうまい。監督は「ブリジット・ジョーンズの日記」の脚本家リチャード・カーティスで、これが監督デビューという。それにしては手慣れたものである。

 親友の恋人を好きになってしまった男の思い(これはなんせ、相手がキーラ・ナイトレイですからね。仕方ありません)とか、首相と秘書の秘めた恋とか、作家とポルトガル人メイドの恋とか、おかしくて切なくて悲しくてハッピーなさまざまなパターンが用意されている。終盤にはいくつものクライマックスがあって、お腹いっぱいという感じ。

 カーティスの音楽のセンスはよく、ジョニ・ミッチェルの歌がエマ・トンプソンの悲しみの姿にかぶさる部分などは情感がある。ヒュー・グラントは首相にはとても見えない(実際のブレアの方がハンサムだ)が、作品の傷とも言えない。ローラ・リニーが家まで送ってきた男に「1秒だけ待っていてくださる」と言った後の場面はおかしかった。このセリフは終盤、別の人物が口にする。

 多数の出演者を描き分け、たくさんのストーリーがあるのにすっきりした印象にした脚本のレベルは高い。これと出演者の好演が相乗効果を上げた佳作と言える。カーティスは「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月」の脚本も担当している。