2006/09/09(土)「X-MEN ファイナル ディシジョン」
ミュータントの能力をなくす治療薬キュアが開発される。ミュータント省の長官を務めるビースト(ケルシー・グラマー)は「恵まれし子供たちの学園」を訪れ、エグゼビア教授にそれを告げる。政府はミュータント政策としてキュアの投与を呼びかけるが、マグニートー率いるブラザーフッドは反発。キュアを開発したのはワージントン(マイケル・マーフィー)。ワージントンの息子エンジェルは背中に翼を持つミュータントだった。一方、ジーン・グレイを失って失意のサイクロップスはグレイの声に導かれるようにジーンが死んだ湖に行く。そこへ死んだはずのジーンが現れる。ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)とストームも湖に駆けつけ、ジーンを学園に連れ帰るが、サイクロップスの姿はなかった。エグゼビア教授はウルヴァリンに、ジーンは邪悪なフェニックスとの二重人格者だと教える。そしてジーンはウルヴァリンの目の前で学園を脱走、接触してきたマグニートーの仲間に加わる。
キュアの元になったのはミュータントの能力を無力化する能力を持つミュータントのリーチ(キャメロン・ブライト)。保護された研究所の中にいるリーチの在り方は大友克洋「アキラ」を思わせる。クライマックスはこのリーチを抹殺しようと図るミュータント軍団に立ち向かうウルヴァリンたちが描かれる。この場面は映画の最初の方にある戦闘シミュレーションと呼応しているのだが、撮り方もVFXもそれほど際だったものではない。復讐の女神と化したジーン・グレイをどう助けるかでリーチの能力を生かすのかと思ったら、普通の決着の付け方なので少しがっかり。というか、本来ならこの決着の付け方の方が悲劇的ではあるのだが、ラトナーの演出がそれを生かせていないのである。パンフレットのみのわあつおの文章によると、「X-MEN」はキャラクターのスピンオフを含めて計10作が作られる予定という。せめてこの第3作まではシンガーに撮って欲しかったところではある。
ファムケ・ヤンセンは今年41歳、ハル・ベリーも40歳だが、年を感じさせない魅力はさすが、というべきか。前作までレベッカ・ローミンはレベッカ・ローミン=ステイモスという名前だったが、ジョン・ステイモスとは昨年、離婚したのだそうだ。