2009/12/15(火)「このミステリーがすごい2010年版」

 国内編1位の東野圭吾「新参者」はまったくのノーマーク。というか、東野圭吾自体をノーマークにしているので、この本の存在さえ知らなかった。ベストテンのうち読んでいるのは7位の篠田節子「仮想儀礼」のみ。しかし、これはミステリではないと思う。これをミステリに入れるなら、村上春樹「1Q84」の方がよっぽどミステリだと思う。広義のエンタテインメント小説を選ぶベストテンと理解しても、それならなぜ「1Q84」が入らないのさ、と思う。いや、ま、純文学なんだけど。

 海外編1位はドン・ウィンズロウ「犬の力」。これもノーマーク。海外編は「ミレニアム」3部作を含めて6冊読んでいて、1冊(ジェフリー・ディーヴァー「ソウル・コレクター」)を持っていた。いや、「ミレニアム3」は今読んでいるところなんだが、翻訳ミステリに関してはまずまずの打率(?)だった。それにしてもトム・ロブ・スミス「グラーグ57」が6位に入ってるのが不思議。それよりジョン・ハート「川は静かに流れ」が7位に甘んじているのも不思議。個人的にはまったくつまらなかった「ユダヤ警官同盟」が3位なのは大いに不満。

 書店でついでに以前から気になっていた柳広司「ダブル・ジョーカー」(2位)を買った。しかし、これ、まず「ジョーカー・ゲーム」を読まなくちゃいけないのかな。「犬の力」も読んでみよう。

2009/12/08(火) 気管支炎

先週の木曜日ごろからのどがいがらっぽく、風邪の引き始めと感じる症状があった。そのうち治るだろうと思っていたが、新型インフルエンザだといけないので、とりあえず自宅近くの病院に行く。この病院に来るのは4年ぶり。のどを見た医師は「真っ赤ですね」。気管支を広げる薬と抗生剤の点滴をしてもらう。点滴するのも4年ぶりだ。途中で医師が来て、血液検査の結果、「白血球が1万個近く、炎症反応も高い」と説明。点滴は30分ほどで終わった。

処方箋をもらって薬局に行こうとしたら、4年前とは違う場所になり、名前も変わっていた。もらった薬はフスコブシロップ(咳を鎮める)、ムコダイン錠(副鼻腔炎の膿を取る)、ボルタレン錠(痛みや炎症を抑える、解熱)、キプレス錠(咳を鎮める)、シロマックSR成人用ドライシロップ2g(細菌の感染を抑える。効果は1週間持続)、ホクナリンテープ2mg(胸か上腕に貼る外用薬。気管支を広げる)。ボルタレン錠はいらない気がするなあ。これは眠くなるので、朝は飲めない。というか、夕食後に飲んだら、2時間ほど爆睡した。

気管支炎は5年前から4年前にかけて3回ほどかかった。単身赴任時にはかからなかったが、元の生活に戻ったのが再発原因のひとつか。そういえば、単身赴任時は風邪もあまり引かなかったな。

2009/12/05(土) 2009年年間本ランキング

 『オリコン2009年 年間“本”ランキングを大発表!』-ORICON STYLE エンタメより。ベストセラーの1位は予想通り村上春樹「1Q84」。BOOK1が1位で108万0340冊、BOOK2が3位で89万6061冊ということはBOOK1しか読まなかった人もいたのか。ベストテンを見て驚くのは10位までに入っている小説はこれと湊かなえ「告白」の2冊だけであること。ベスト50までを見ると、ようやく27位に天童荒太「悼む人」が出てくる。直木賞を取っても25万2860冊しか売れないのだ。小説は売れていないのだな。

 天童荒太と言えば、きょう本屋に行ったら「静人日記」があったので買った。しかし、本は買うばかりでまたもや積ん読が大幅増加傾向にある。ほかに読みかけてるのが「風が強く吹いている」「ミレニアム3」「フロム・ヘル」と3冊ある。積ん読で気になってるのがコーマック・マッカーシー「ザ・ロード」、スティーブン・ハンター「黄昏の狙撃手」、ジョルジュ・シムノン「倫敦から来た男」、フランセス・ファイフィールド「石が流す血」などなど。困ったものだ。

 新書の1位は姜尚中「悩む力」。ランキングに入った新書の中で読んでるのは2位の香山リカ「しがみつかない生き方」ぐらい。今年は新書をけっこう読んだが、僕の趣味に合う本はベストセラーにはなりにくいのか。香山リカの本はまだ読んでる途中なのだが、そんなに面白くはない。新書は薄い内容の場合が多いので、タイトルが重要なのだろう。

 文庫本の方は小説ばかりがずらりと並ぶ。小説は文庫で読む人が多いのか。1位は道尾秀介「向日葵の咲かない夏」で83万5029冊。東野圭吾とか海堂尊とか伊坂幸太郎とかベストセラー作家の本が並んでる。これまた僕が読んだ本は少なく、43位万城目学「鴨川ホルモー」ぐらい。ベストセラーを追いかけてるわけじゃないから、いいんだけど。

 それにしても翻訳ミステリは壊滅状態だ。書籍総合でも文庫本でもダン・ブラウンしか入ってない。ミステリマガジンに「翻訳ミステリ応援団!」という座談会連載があるのも分かるなあ。

2009/11/14(土) VAIO T

先月末、SONY Styleに注文したのがようやく届いた。11.1型のモバイルノート。ネットブックも考えたが、CPUがATOMでは絶対にストレスがたまる。いわゆるCULVノートを買おうと思い、各社のラインナップを比較してこれに決めた。VAIOはデスクトップを含めて4台目になる。そこそこ性能が高くて軽いのを選ぼうとすると、けっこう高くなる。ネットとメールしかしないなら、ネットブックも選択肢に入るが、YouTubeが駒落ちするようなパソコンは使いたくない。

というわけで低電圧版のCore2 Duo1.6GHz、メモリー4GB、HDD250GBの64bit版Windows 7という仕様。色はプレミアムカーボン。2年半前に買ったノートよりCPUの性能では落ちるが、メモリーが多いためか、体感速度はこちらの方が速い。まだ、プログラムをあまりインストールしていないためもあるだろう。

さっそくセットアップ。無線LANの設定でいきなり躓く。VAIOもAOSSに対応してほしいものだ。仕方がないので手動で設定。絶対になくては困るFirefoxと秀丸、Googleツールバーをインストールして落ち着いた。メールソフトはインストールせず(というかOUTLOOKは入ってるが)、Gmailを使うつもり。しばらく使わない無線WAN(NTTドコモ)の設定はまたそのうち。

出張に持って行こうと思って買ったのだが、L(大容量)バッテリーを付けると、けっこう重いな(1.5キロは切ってるようだ)。どうせACアダプターは持って行くんだからSバッテリーにしとけば良かったか。

2009/10/17(土) ミステリの書き出し

「夜は若く、彼も若かった。 が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」というのはウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)「幻の女」の書き出し。アイリッシュは書き出しに凝る作家だった。サンシャイン牧場のメッセージに映画のセリフを書いてきたのだけど、それにも飽きたので、ミステリの書き出しはどうかと探してみた。といっても古い本は倉庫の段ボールの中なので、部屋の中にあるやつだけ。

■マリアが死を決意した時から、彼女の猫は自分で自分の身を守らなければならなくなった。(トム・ロブ・スミス「チャイルド44」)

■その川は思い出せるかぎりもっとも古い記憶だ。(ジョン・ハート「川は静かに流れ」)

■そこはセントラル・アヴェニューの混合ブロックのひとつだった。(レイモンド・チャンドラー「さよなら、愛しい人」)

■テリー・レノックスとの最初の出会いは、<ダンサーズ>のテラスの外だった。(レイモンド・チャンドラー「ロング・グッドバイ」)

■二人は毎晩8時に会った、雨の降る日も雪の日も、月の照る夜も照らぬ夜も。(コーネル・ウールリッチ「喪服のランデブー」)

■一九七七年の春、わたしは三十を迎えたばかりで、殺伐とした都会に無為の日々を送っていた。(ロバート・ゴダード「千尋の闇」)

■目の前に広がる町を見渡し、石炭の煙で黒く煤けたかつての高層ビルの姿を思い浮かべながら、彼は考えていた。(トマス・H・クック「夜の記憶」)

■「やつら、死ぬのにどのくらいかかった?」(ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチ・メイカー」)

■オクトーバー伯爵が初めて私の前に現れたときは、うすいブルーの古びたホールデンに乗っていた。危険と死がひそかに便乗していた。(ディック・フランシス「興奮」)

■はじめてマックス・キャッスルの映画を目にしたのは、ウェスト・ロサンジェルスにある薄汚れた地下室の中だった。(T・ローザック「フリッカー、あるいは映画の魔」)

■テキサスの丘陵地帯の裾野、季節は十一月の下旬だが、このあたりでは見かけどおりのものは何もないことを私はとうの昔に学んでいた。(ジェイムズ・クラムリー「ファイナル・カントリー」)

■ロック-オーバー・レストランはウィンター・プレイスにある。そのウィンター・プレイスは、コモン公園から少し南へ下ってウィンター通りから脇にそれた横町である。(ロバート・B・パーカー「レイチェル・ウォレスを探せ」)

ワンセンテンスでぐっと引きつけるのはやはり詩的なアイリッシュぐらいか。個人的には「興奮」の書き出しも、初めて読んだディック・フランシスだったので印象深い。これ、最初に出たポケミス版と文庫版はちょっと違う。文庫にする際に手を入れたのだろう。

チャンドラーの2作は村上春樹訳のもの。清水俊二訳は少し違うかもしれない。いや、違ってたと思う。チャンドラーの書き出しはそこそこだけど、中身は警句の宝庫という感じ。「警官にさよならを言う方法はまだ発明されていない」とか「ギムレットにはまだ早すぎるね」とか有名すぎる。

清水俊二といえば、映画の字幕翻訳家としても有名だった。昨日、講演を聴いた戸田奈津子さんは清水俊二に師事していたはず。話の中に全然出てこなかったのはなぜだろう。

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