2015/10/29(木)アテローマ(粉瘤腫)

 4年ほど前から耳たぶの後ろに5ミリぐらいのしこりがあった。脂肪の塊かと思って、1回つぶしたが、しばらくすると、元の大きさに戻った。調べると、アテローマ(粉瘤腫)らしい。Wikipediaによると、「新陳代謝によって表皮から剥がれ落ちる垢などの老廃物が、皮膚内部(真皮)に溜まることによってできる良性の嚢胞性病変の総称」。目立つ場所ではないので、放っておいたが、1週間ほど前から化膿して大きくなった。寝る時に横になって枕に当たると痛いので皮膚科に行ってきた。アテローマの患者はたいてい、化膿してから病院に行く人が多いそうだ。ま、そうでしょうね。

 医師に見せると、すぐに「アテローマ」との診断。「大きく腫れてるので切開して膿みを出します。耳が引っ張られて形が変わる場合があるので、本体を出す時には○○病院(某総合病院)の整形外科に行く必要があるかもしれません。紹介状は無料で書きます」とのこと。抗生剤で炎症を抑えてから手術かと思っていたが、すぐに切開ですか、そうですか。

 局所麻酔は「痛いですよ」と言われて覚悟したが、数回チクチクした程度でそんなに痛くはなかった。すぐに感覚がなくなった。切開されても何も感じない。切開してるのかどうかも分からない。10分ぐらいで終了。写真を見せてもらったら、白い膿みのほかに本体も取り出せたとのこと。総合病院に行く必要はないようだ。

 薬局で1週間分の抗生剤をもらって帰った。治療費は手術+膿みの検査料で3550円、抗生剤が670円だった。アテローマは放っておいても完治はしないので、化膿した(化膿するのが心配な)人は病院に行った方が良いです。

2015/10/24(土)「ロマンス」

 中盤、主人公の大島優子と大倉孝二が箱根の山中で車で道に迷うシーンがある。大倉は元々カーナビが嫌いで使わず、そのカーナビ自体、調子が悪いという設定。そんなのスマホのカーナビ使えばいいじゃん、と思ってしまう。山奥で電波が入らないのだろうか。

 宮崎キネマ館で開かれたトークショーでタナダユキ監督はロマンスカーのアテンダントは仕事中に携帯を携帯してはいけないことになっていると説明したが、それを映画の中で説明してくれないと、説得力がない。ここに限らず、どうも脚本に弱い部分が散見される。いくら母親から自殺をほのめかすような手紙が届いたからといって上司に連絡もせずに仕事を放り出していいものかとか、そんな深刻な状況なのにのんびり箱根観光なんかしてるなよとか、思えてくるのだ。監督によると、「予算はミニマム」だったらしい。脚本を練る時間もミニマムだったのだろうか。

 「百万円と苦虫女」(2008年)以来のタナダユキ監督のオリジナル作品。といってもプロットは向井康介(「もらとりあむタマ子」「ふがいない僕は空を見た」)で、それを監督が脚本化したそうだ。主人公の北条鉢子(大島優子)は小学校のころに両親が離婚。母親が男と頻繁に付き合うようになって高校卒業以来、母親とは会っていない。ロマンスカーのアテンダントをして優秀な成績だが、ある日、ワゴンから男が菓子を万引きするのを見つける。その男、桜庭洋一(大倉孝二)が駅で降りたところで逃げ出すのを鉢子が必死に追いかけているうちにロマンスカーは出発してしまう。桜庭は鉢子がゴミ箱に捨てた手紙を読んで、母親が自殺しそうだと判断。鉢子と一緒に箱根で母親を捜すことになる。

 大倉孝二の軽すぎる演技は少し気になるものの、背の高い大倉と大島優子が並んで立つシーンはまるでC-3POとR2-D2のようにコミカルな感じもあって面白い。大島優子は脇に回った昨年の「紙の月」ではいかにも若い女子の雰囲気をまとって悪くなかったし、今回も演技的には頑張っていると思う。しかし、この脚本ではやはり無理がある。前半は箱根観光みたいな描写に終始し、もしかしてこれは箱根の観光協会あたりが資金を出した観光映画ではないかと思えてくる。タイアップした施設のショットを入れる必要があったのだろうが、もう少しうまく見せたいところだ。

 タナダユキ監督は次作の上野樹里主演「お父さんと伊藤さん」(中澤日菜子原作)を編集中とのこと。原作のある作品なら前々作の「ふがいない僕は空を見た」のように脚本にも映画の出来にも期待して良さそうだ。

2015/10/24(土)Acrobat Pro DC

 Adobeからメール。Acrobatのサポートが11月で切れるとのこと。調べたら、2つ前のバージョンAcrobatXを買ったのは4年前だった。4年も使えば十分なのでDCにバージョンアップした。

 DCはDocument Cloudの略でPDFファイルをAdobeのクラウドに保存できる。これが一番大きな新機能で、Readerからも保存でき、スマホで開くこともできるのがいい。いろいろ操作法が変わっていて、ページ番号は以前はツールメニューからだったが、「PDFを編集」→「ヘッダーとフッター」からの編集に変わっていて戸惑った。

 PDFを扱うのにAcrobatに勝るソフトはないが、価格が高いのが難。Adobeストアで買うと、Proのアップグレード版は22,215円だが、amazonでは20,189円。しかも20%割引のクーポンが使える。うーん、次からはamazonで買おう。でamazonを見ていたら、AcrobatXの簡易パックというのがあった。7500円というのは安いが、これはどうも怪しい。というか、すごく怪しい。レビューを見ると、「十分使える」と書いてあるけど、XはWindows10には対応していないし、非正規品を使うのは注意した方がいい。amazonには時々、こういう怪しいソフトがあって、Officeの怪しいやつなんかも見かけた。今もあるのかな。

2015/10/15(木)「イルカは笑う」

 ショートショート「まごころを君に」のオチに笑った。いかにも落語のオチで、とぼけた感じがいい。言うまでもなく、「まごころを君に」は「アルジャーノンに花束を」の映画化で、クリフ・ロバートソンがアカデミー主演男優賞を受賞した作品の邦題。

 シリアスな「あの言葉」とホラーの「歌姫のくちびる」も良い。バラエティに富んだ短編集だが、ショートショートのおかしさが個人的には好み。ショートショートだけの作品集も出してください。

2015/10/10(土)「特捜部Q 檻の中の女」

 ユッシ・エーズラ・オールスンの原作の本筋をコンパクトにまとめている。主人公と相棒のアサドにも違和感はない。映像のセンスも悪くない。しかし、原作の大きな魅力となっているユーモアがない。筋を追うのが精一杯で、そこまで手が回らなかったのだろうが、残念。

 最後のセリフで言及される“秘書”はアサド以上におかしなヤツなので、シリーズ化するならユーモアを入れてほしいところだ。この原作を映像化するには映画よりも余裕のあるテレビシリーズの方が向いているのかもしれない。