2014/04/20(日)「イノセンテの描く未来」

 アカデミー短編ドキュメンタリー賞を受賞した40分の短編。WOWOWで録画していたのを見た(解説ページ)。メキシコ系移民で15歳のホームレス少女イノセンテを描く。父親の暴力に耐えられず、母親はイノセンテと3人の弟たちを連れて家を出た。以来9年間、一家は路上や簡易宿泊所を渡り歩く生活をしている。生活苦から母親はイノセンテと一緒に心中を図ったことがあり、2人の間にはわだかまりが残ったままだ。イノセンテはホームレスに美術を教えるNPOから絵の才能を認められ、個展を開くことになる。

 ショッキングなのは最後に出た字幕。「アメリカの子供の45人に1人はホームレス」なのだという。学校のクラスに1人ぐらいの割合でいることになる。貧困は連鎖するし、人間、いつ貧困に陥るか分からない。アメリカにも生活保護の制度はあるそうだが、移民への適用は難しいのかもしれない。この映画、NHK-BSでも「イノセンテ ホームレスの少女が描く未来」のタイトルで放映した。IMDbの評価は7.4。

 続けてBS-TBSを見たら、「僕たちは昭和を生きた」という番組に作曲家の千住明さんが出ていた。千住さんはお坊ちゃま育ちと言われるのに反発して廃品回収のアルバイトをしたことがあるそうだ。その時、あるおじさんから弁当を半分食べさせてもらった。「後から聞いたんだけど、そのおじさんは弁当を昼食と夕食と2回に分けて食べる人だったのね。夕食の分をもらったわけ。僕はあのおじさんに届くような音楽を作りたいとずっと思ってきた」。千住さんの人柄を表すエピソードだと思う。