2015/08/30(日)「カワサキ・キッド」

 東山紀之の自伝的エッセイ。昨年11月、本と雑誌のニュースサイト「リテラ」が「反ヘイト本」として紹介して大きな反響を呼んだ( http://lite-ra.com/2014/11/post-665.html )。それが単行本出版から5年を経ての文庫化を後押ししたのは間違いないだろう。5年前にはヘイトスピーチなんて言葉は一般的ではなかったから、もちろん反ヘイトを意図して書かれた本ではない。

 この本を貫いているのは素直で真っ当なものの見方と考え方だ。だから読んでいてとても気持ちよい。そして何より面白い。タレント本の先入観を捨てて読むべき良書で、読み終わる頃にはヒガシのファンになっていること請け合いだ。