2014/09/11(木)「オーガストウォーズ」

 2008年の南オセチア紛争(ロシア・グルジア戦争、8月戦争)を舞台に描くSF戦争アクション、というのは真っ赤な嘘。SFの部分は子供の空想に過ぎず、本筋はSFでもなんでもない。国境近くの戦場に取り残された子供を救いに行く母親の姿を描いている。

 ロシア映画なのでもちろんロシア側視点でロシアの正当性を強調して作られている。なんせ、敵兵はすべてマスクをかぶっていて素顔が見えないのだ。敵を人間として描くことを放棄しているわけだ。話自体にもリアリティがない。

 それ以上に数年前に起きた実際の戦争をこんな風に描くのはどうも釈然としない。グルジアの人たちがこの映画を見たら、「いい気なもんだ」と怒るのではないか。きっと数年後にはウクライナのクリミア危機を舞台にした映画が作られるのでしょう。