2004/06/04(金)「ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン」

 「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」のスコーピオン・キングことザ・ロック主演のアクション。アマゾンの奥地へ秘宝探しに行ったまま帰らない息子を連れ戻すよう頼まれた賞金稼ぎの主人公が、ジャングルの鉱山で人々を奴隷のように扱う悪玉(クリストファー・ウォーケン)と戦う。よくある設定だが、ザ・ロックのアクションは切れ味がよくて楽しめる。中盤にあるゲリラの小柄な兵隊たちとのアクションは肉弾相打つといった様相と同時にワイヤーも駆使して軽やかだ。こんなに身のこなしがいいとは思わなかった。やはりプロレスラーだから空中戦も得意なのだ。その相手となるゲリラのリーダー・マニート役のアーニー・レイズ・ジュニアは元格闘技チャンピオンという。アクション指導をしたのはスタントマン出身のアンディー・チェン。

 冒頭、ゲスト出演のアーノルド・シュワルツェネッガーとすれ違うシーンがあり、アクション俳優の世代交代を感じさせた。今のところ、この映画がシュワルツェネッガーの最終出演作となるのか?

 主人公のベック(ザ・ロック)は暗黒街の賞金稼ぎ。賭けの5万ドルを支払わないNFL選手の元に押しかけ、ボディガード数人を簡単に倒す。ベックにはレストラン経営の夢があり、借金を帳消しにすることを条件に暗黒街のボスの息子トラビス(ショーン・ウィリアム・スコット)を探しにジャングルの奥地に行く。そこはハッチャー(クリストファー・ウォーケン)という男が支配しており、鉱山で膨大な人々を安い賃金で働かせていた。ベックはマリアナ(ロザリオ・ドーソン)が経営する酒場でトラビスを見つけるが、トラビスが秘宝のありかを探し当てたことを知ったハッチャーが酒場に手下を連れてやってくる。ベックとトラビスはジャングルに逃げ、ハッチャーが執拗に後を追う。最初は反目していた2人が次第にうち解けるバディ・ムービーのような調子で映画は進む。これにハッチャーの支配を脱しようとするゲリラが絡み、映画は終盤のアクションへとなだれ込んでいく。

 CGも使ってあるが、全体的にユーモアを盛り込んだB級アクションとしてそつなくまとまっている。ザ・ロックの現代劇デビュー作としてはまず無難な作品と思う。監督はピーター・バーグ。俳優としての出演作も多いが、劇場用映画は「ベリー・バッド・ウェディング」(1998年)に続いて2作目の監督作品となる。3作目はビリー・ボブ・ソーントン主演の「フライデイ・ナイト・ライツ」。近くアメリカで公開されるらしい。