2003/05/04(日)「ザ・グリード」

 スティーブン・ソマーズが「ハムナプトラ」の前に撮った作品で、98年の公開時、一部SFファンの間では話題になったが、僕は見のがしていた。B級映画と思ってみたら、意外に面白いという映画。いや、今となってはソマーズのその後の作品を見ているのでこれぐらいは当たり前と思える。出演者はトリート・ウィリアムズとファムケ・ヤンセンを除けば(入れても)、ほとんどB級なのだが、怪物造型はロブ・ボーティン、音楽はジェリー・ゴールドスミスなのだからA級も入っているのである。

 最初の30分ほどはなにをグダグダやってるんだと思えるぐらいにまだるっこしい。しかし深海の怪物が豪華客船の乗客3000人をあっという間に食べ尽くしてしまって(その描写はない)からは、なかなか凝った話を見せてくれる。全編に漂うユーモアがソマーズらしいところ。怪物に食べられて半分消化されてしまった人間の描写などは「ハムナプトラ」のミイラにそっくりだった。「アナコンダ」のジョン・ボイトよりも消化の具合が進んでいるのが笑える。