2011/11/28(月)ミステリーベストテン

 そろそろそういう季節になった。ミステリマガジン1月号には「ミステリが読みたい!2012年版」の特集がある。海外編の1位はデイヴィッド・ゴードン「二流小説家」。これは買ったけど、読んでいない。2位のフェルディナント・フォン・シーラッハ「犯罪」は感想に書いた通り、文体にしびれる傑作短編集だと思う。3位はトレヴェニアン「シブミ」の主人公をドン・ウィンズロウが描く「サトリ」。これも買ったまま読んでいない。ベストテンで読んでいるのはトム・ロブ・スミス「エージェント6」と合わせて2冊だけだった。昨年の「ラスト・チャイルド」に続いてポケミスとハヤカワ文庫で同時発売したソラン・ドヴェンカー「謝罪代行社」の16位は少し意外。いや、これも買ったまま読んでないんですけど。

 国内編はミステリマガジンには書いてないが、米澤穂信「折れた竜骨」。これは買ってないなあと思ったら、子供が持っていた。そういえば、一緒に本屋に行って僕が買ってあげたのだった。僕を除く家族4人はみんな読んでいて、「ファンタジーで面白かった」のだそうだ。国内編で読んでいるのは、というか、昨日からやっと読み始めたばかりの高野和明「ジェノサイド」のみだった。しかし、「ジェノサイド」、ミステリではなくてSFだと思う。

 「このミス」は12月10日に発売予定だが、狭義のミステリが中心となる「ミステリが読みたい」とは異なり、もっと幅広いエンタテインメント全般が入ってくるはず。スティーブン・キング「アンダー・ザ・ドーム」などはベストテン入り必至ではないか。

 「二流小説家」と「サトリ」は「ジェノサイド」が終わったら読もう。「折れた竜骨」はその後か。

2011/10/03(月)「刑事コロンボ」ベスト3

 ミステリマガジン11月号は刑事コロンボの大特集「刑事コロンボに別れの挨拶を」。評論家や作家などミステリ関係者42人が選んだベスト3が掲載されている。1位はドナルド・プレザンスが犯人を演じた名作「別れのワイン」(1973年、第19話)かと思ったら、「二枚のドガの絵」(1971年、第6話)。「別れのワイン」は2位だった。3位は「祝砲の挽歌」(1974年、第28話)。確かに「二枚のドガの絵」は終幕がミステリファンにアピールする要素を兼ね備えている。コロンボが犯人に仕掛けるトリックが鮮やかすぎるのだ。僕が見たのは中学生のころだが、今でもはっきり覚えているほどだ。

 それにしても皆さんよく見てますね。この稀代の倒叙ミステリドラマの影響力がいかに大きかったかよく分かる。それぞれ400字の感想が添えられているが、挙げられた傑作の中ではっきり覚えていないのはチェスを題材にした「断たれた音」(1973年、第16話)のみ。これ、あまり印象がないな。

 コロンボは12月にコンプリート・ブルーレイ・ボックスが出る。全69話を収録し、35枚組で71,400円。ミステリマガジンの特集を読んだら、無性に再見したくなってきた。買ってしまおうかと密かに考えている。

2011/09/17(土)ELECOM TK-FBP017BK

 SPPで接続するAndroid携帯用のBluetoothキーボード。楽天のショップに注文したのが昨日届いた。Android用のBluetoothキーボードは今のところこれしか選択肢がない。出張の時にはいつもノートパソコンを持っていくが、1.5キロぐらいあって、移動の際に重くて仕方がない。これがあれば、スマホ(IS03)だけですむ、と思ったのだ。

 AndroidマーケットからEleWnnとElecomBtAssistantをインストール(ELECOMのサイトにリンクがある)。スイッチをSPPにしてスマホとペアリングする。ペアリングは簡単にできたが、なぜか入力ができない。あれれ、と思っていろいろやってみたが、ダメ。何度も設定を繰り返しているうちに入力できるようになった。うーん、何が悪かったんだろう。

 EleWnnの変換精度はあまり評判がよろしくないが、まあ、常時使うわけではなく、会議のメモに使うぐらいだからそんなにストレスはない。ただ、キー操作には少し慣れが必要だ。キーの間隔はノートパソコン並みなのだが、慣れないと隣のキーとの打ち間違いが多くなる。キーボードに少し傾斜も欲しいところだ。変換は補足マニュアルには「スペースキーではできない」と書いてあるが、できるようになっている(現在のバージョンは1.1.2)。スクリーンキーボードで打つよりやっぱり入力は速い。

 いろいろ試した結果、エディタにはEvernoteを使うと便利であることを実感。他のエディタを使ってDropboxでパソコンと同期してもいいのだが、Evernoteの方が手間はかからない。

 パソコンともペアリングしてみた。接続はHIDなので入力にいつも使っているATOKが使えてストレスがない。Android携帯もHIDに対応してほしいものだ。

2011/09/14(水)WiMAX

 先週、BBIQからWiMAXモバイルルーターのURoad-9000が届いた。自宅では予想通り、圏外ぎりぎりで電波が弱い。アンテナが1本も立っていない。と思ったが、計測してみたら、640kbpsは出ている。一昔前のネットスピードであるにしても、まあ、我慢できる。なんせ、アナログ回線のころは33.6kbpsだったわけですしね。その後、ADSLにしたころがちょうどこれぐらいの速度だった。自宅でも場所を変えてみると、2~3Mbps以上は出るのが分かった。これぐらい出れば、十分か。ちなみに自宅はWiMAXのピンポイントエリア判定で△のところにある。

 出張先の東京の月島で計測したら、2.4Mbps。夜になって再度計測したら、800kbpsほどだった。どうも速度に波があるようだ。宮崎市内の会社ではスマホで2~3Mbps、iPadで5Mbpsほど。会社は「△~○」の地区にある。一般的にパソコンの方がスマホより高い数値が出るようで、これは処理能力の違いが影響しているのだろう。

 URoad-9000にはUSB充電ケーブルと充電器が付属しているのが良い。出先ではパソコンに接続して充電しながら使える。(パソコンのバッテリー消費量は増える)。しかもミニUSBなのでこのケーブルを使えば、スマホも充電できる。

 WiMAXに変えて何が良かったといって、パソコンがフリーズすることがなくなったこと。僕のノートパソコン、ドコモのFOMA接続ソフトと相性が悪かったらしく、テキストファイルの作成途中でフリーズしてしまい、内容を失ったことがたびたびあった。これがなくなっただけでもありがたい。あとはWiMAXが使える範囲が拡大してくれれば言うことはない。

2011/09/12(月)ドラマの質

 「下町ロケット」第4話もとても面白かった。大企業の横暴とそれへの反撃、そして不当な裁判が決着したかと思ったら、またしてもラストで大きな困難が待ち構えていた。視聴者の次回を見たいという欲求を否が応でも高めるこの作りはクリフハンガーみたいにうまい。WOWOWがこんなにレベルの高いドラマを生み出すとは驚きだ。いや、3月に傑作ぞろいの「横山秀夫サスペンス」4話を見ているのだが、「下町ロケット」はそれよりも数段レベルが高いのだ。脇の人物に至るまでキャラが立ちまくりなのが素晴らしい。

 WOWOWは今年で開局20年。今月号のプログラムガイドと一緒に送られてきたパンフによると、WOWOWがドラマWの製作を始めたのは2003年で、第1作は川上弘美原作の「センセイの鞄」(文化庁芸術祭テレビの部ドラマ部門最優秀賞)だった。連続ドラマWは2008年の「パンドラ」が最初だから、ドラマに関して長い歴史があるわけではない。

 ただし、1992年に始まったJ・MOVIE WARSがその萌芽と言えるかもしれない。崔洋一「月はどっちに出ている」(キネ旬ベストテン1位)なども生んだこの企画は主に放送ソフトの充実の意味があったのだと思う。WOWOWの柱である映画はレンタルもできるし、スターチャンネルなど他の放送局で見ることもできる。不完全とはいえ、地上波なら無料で見られる。独自のコンテンツと呼べるものがないと、加入契約を伸ばすことは難しいという判断があったのだろう。最初は単発のドラマだったが、連続ドラマの方が視聴者の関心を長く保つことができるのは当然で、連続ドラマの製作を始めたことは理にかなっている。

 加入者の視聴料で成り立つWOWOWは民放のようにスポンサーの顔色をうかがう必要がない。加入者の満足度のみ考えればいいわけで、ドラマの出来不出来は加入契約の伸びに影響を及ぼすだろう。映画監督を使った質の高いドラマ作りの背景にはそんなところも影響しているのに違いない。地上波のように1クールに決まっているわけでもないのだから、製作する側にとっても有利なのではないか。

 「センセイの鞄」以降、賞を取ったドラマは「祖国」(2005年)「パンドラ」(2008年)「空飛ぶタイヤ」(2009年)「なぜ君は絶望と闘えたのか」(2010年)。「下町ロケット」も何らかの賞を取るのは確実に思える。