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2004年11月28日の記事

2004/11/28(日) 高橋源一郎の「電車男」評

きょう付けの朝日新聞にある。本質を突いていると思いながらも、これは少し意地が悪い。ちょっと引用しよう。

しかし、この本は掲示板に掲載された最後の日を素知らぬ顔で削除し、その前日までで完結させている。(中略)不可解なミステリーになるはずの「5月17日」を消し去ることで、この作品は、見事に「純愛」の顔つきをすることに成功している。

5月17日に何があったかと言えば、電車男がエルメスと性交寸前の書き込みをして、それを読んでいたスレの住人たちが、「やめろ」と忠告するのである。この部分をアップしたページもネット上にはあり、僕もそれを読んでいる。

問題はそこを削除したからと言って、非難を受ける筋合いはないということだ。批評というのは出来上がったものに対して行うもので、批評の対象が実際にあったことをどう脚色しようがかまわない。もちろん、そこに目配せするのは重要なことだが、素材と完成品とは明確に区別しなければならない。高橋源一郎は人から電車男はフィクションであると聞かされた上で、この批評を書いているのだから、出来上がったものが掲示板の書き込みと違ったところで、目くじらを立てる必要はないだろう。

「素知らぬ顔で削除」とか「『純愛』の顔つき」という意地の悪い言葉は使う人の品性を表すものでしかない。鬼の首でも取ったようなこの表現には気分が悪くなる。

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