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2006年04月23日の記事

2006/04/23(日)「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌」

 「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌」パンフレットコナンのテレビはほとんど見ていないし、映画も第6作「ベイカー街の亡霊」以来4年ぶり。その第6作を見た時にもう見なくていいやと思ったのだが、次女が連れて行けというので泣く泣く連れて行った。やはりというか何というか、「何だこれは」レベルの作品だった。罵詈雑言しか出てこないので感想書くのはやめようかと思ったほど。とりあえず記録のために書く。

 シリーズもこれだけ長くなると、ミステリとして見ている人は少なく、キャラ萌えのファンが多いのではないかと思う。そういう部分に関して僕は何も言うことはない。キャラが好きなら見ればよろしい。ただし、これがミステリとしては最低レベルにあることは認識しておいた方がいいと思う。コナンは設定自体がふるーいミステリの枠組みのパロディみたいなものなので、こうした名探偵が謎を解くという古い設定を引きずっているのだろう。今回の脚本は柏原寛司。「あぶない刑事」などアクション映画の脚本を書いている人だが、謎の提示も解決の仕方もセリフに頼ってまるでビジュアルなものがない。つまらない2時間ドラマのレベル。映画10周年記念作品と銘打つほどのものではなく、面白さで言えば、「クレヨンしんちゃん」に負けている。「クレしん」がテレビとはまったく違ったアプローチで映画を作っているのに対して、コナンは映画としての売りの部分がなく、30分のテレビを引き延ばしただけのように感じる。

 コナンや毛利小五郎、蘭たちが依頼人の指示で総合テーマパーク、ミラクルランドのホテルにやってくる。依頼人の秘書は全員の手首にミラクルランドのフリーパスIDを付けさせる。コナンと小五郎を残して全員、ミラクルランドに遊びに行く。姿を見せない依頼人は午後10時までに事件を解決して欲しいというが、その事件もキーワードだけが与えられただけ。事件を解決しないと、IDに仕掛けられた爆薬が爆発する。コナンと小五郎以外のIDにはミラクルランドの外に出ても爆発する仕掛けがあった。与えられた時間は12時間。2人は必死に事件を捜査することになる。

 この設定はよくあるものとはいえ、悪くはないのだが、ここからの展開がどうでも良いような古くて幼稚なトリックだらけでまったく盛り上がらない。真相が分かった時の驚きなど微塵もなく、ミステリの醍醐味は皆無。元々、映画は原作者の青山剛昌のアイデアに肉付けしていくような形で話を作っているらしい。この段階で、もっとしっかりしたミステリの分かる脚本家に書かせた方がいいのではないかと思う(と思ったが、第6作は今は亡き野沢尚が脚本を書いたのだった。それでもあの程度の出来にしかならないということは何か根本的な問題があるのかもしれない)。キャラ萌えもっこうだが、ミステリの枠組みがある以上ミステリの部分を面白くしないと、ファンはいずれ離れていくだろう。2chのスレッドを見ると、今回の映画はファンも酷評しているのだ(コナンのラブコメ的な部分を好きなファンも多いらしい。今回はそれがない)。どうせ、1年後にはテレビで放映するのだろうし、個人的にはもう映画館で見ることはないだろう(テレビでも見ないけど)。

 ちなみに次女(小3)はけっこう楽しんでいた様子。一緒に行った長男(小5)は途中で飽きた様子だった。