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2013年03月24日の記事

2013/03/24(日)「臆病者のための株入門」

2006年に出た新書だが、円安株高に伴う最近の投資ブーム(?)に乗って書店では平積みになっていた。株で一儲けしようと思う人を対象に増刷したのだろう。しかし、この本には株取引のテクニック的なことは書いてない。だいたい、株の必勝法なんてない。現物取引に限れば、安く買って高く売るしかないのだ。

本書は最初の3章がジェイコム男、ホリエモン、デイトレーダーの話で、著者の体験や主観も入っているから、この部分、とても面白い。後半は株式投資がどういうものかを説明した上で、経済学的にもっとも正しい投資法が紹介される。それは「世界市場のインデックスファンドに投資しなさい」である。株入門という名前の本なのに、インデックス投資がベストと言っているわけだ。株取引で成功し続けるのはほんの一握りであり、多くの人は勝ったり負けたりを繰り返すことになる。これを踏まえてどの銘柄を買うかではなく、市場全体に投資するのがベストという当然の結論に至る本なのである。毎月分配型の投信がなぜダメかということにも言及してある。だから、これは株入門の本ではなく、すこぶる面白く読める投資入門の本になっている。

著者の橘玲は世界市場に投資するポートフォリオとして15%を日本株、残り全部を外国株にすることを勧める。2006年当時の株価時価総額の比率はそうなっていたのだろう。現在はどうなっているのか。こういう場合、インデックス投資支援サイトの「わたしのインデックス」がとても役に立つ。世界各国のPER・PBR・時価総額のページによると、今年2月末時点で日本株の時価総額は世界の株式市場の7.2%しかない。昨年11月から株価が上がったといっても、まだこれぐらいのものなのである。世界市場に投資するポートフォリオのアセットアロケーション(資産配分)はこれを参考にできるだろう。

複数の投資信託でポートフォリオを組むのが面倒な場合はバランス型投信に投資する選択もある。資産総額が600億円を超えたセゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドなどがそうだ。ただ、このファンドの日本株の割合は4%しかない。これはもう少し増やしてもいいのではないかと思う。