2014/11/01(土)「キャプテン・フィリップス」

 ソマリアの海賊VS.アメリカ海軍。圧倒的な力の差があるわけだから海賊が勝てるわけがない。もちろん海賊行為が良いわけはないが、見ていて「そんなに弱い者いじめしなくても」という気分になってくる。アメリカ人1人の命を救うためとはいえ、この描き方ではソマリア人の命が軽すぎるのだ。

 「ユナイテッド93」や「グリーン・ゾーン」などポール・グリーングラス監督の映画に共通するのはサスペンスの確かな演出力の割に、事件に対する思慮が浅いところでとどまっていること。これではプロパガンダ映画に収まってしまうと思えるのだ。というか非常に良く出来たプロパガンダ映画として作っているのではないかと思う。