2000/12/13(水)「ホワット・ライズ・ビニース」

 ミシェル・ファイファーがこれを最後に長期休暇に入ると聞かされたら、ファンとしては一番に見に行かなくてはならない。それにネタをバラされるおそれもありますからね。予告編では心霊ホラーのような感じだったが、それだけでなく、前半の「裏窓」的描写がなかなか怖い。あまり夫婦仲の良くない隣の家の夫が妻を殺したのではないかという疑問を持つファイファーのサスペンスが見どころ。ロバート・ゼメキス監督はヒッチコックを目指したそうで、じりじりとサスペンスを盛り上げていく。

 しかし、その一方で単なるショッカー的描写が入り、これはドキっとさせられるのだけれど、暗闇で後ろから「ワッ」と言うようなあまり上等ではない演出。後半もこういう描写が多く、心臓の弱い僕には向かなかった。延々と続くクライマックスはもっと潔く終わった方が良かったような気がする。ヒッチコックだけでなく、「悪魔のような女」的シチュエーションもある。ゼメキスはこういうスリラーが好きなのだろう。純粋にサスペンスに徹してくれたら良かったのにね。

 ファイファーは頬骨が目立つようになって魅力が薄れたが、しっかり休暇を取って復帰してほしい。キャット・ウーマンのような役がまたできるといいと思う。