2013/04/26(金)MARS

 MRIインターナショナルという金融会社が顧客から集めた資産の一部を消失した疑いがあると、マスコミ各社が報じている。既に日本語のホームページは詳細な内容がなくなっているが、Googleのキャッシュには残っていた。MARS(診療報酬請求債権)投資商品のリスクとして以下の説明があった。

 「MRIシリーズ商品はMARSを運用対象としています。本商品はMARSの買取価格変動による市場リスク、法規制や制度の改定によるカントリーリスクの影響を受けます。従って、元本保証はされていません。本商品はクローズド型商品である為、契約の解除はできません。当社が例外的に解約に応じる場合には利息の支払いはありません。本商品は米ドルで投資した場合、為替差損益が発生します」

 契約の解除ができなかったり、解約すると大幅に元本割れするような金融商品に手を出してはいけない。それ以前に、この会社、集めたお金をほとんど運用していなかった可能性もあるようだ。これが発覚するまでに15年もかかったというのにあきれる。

 経済学者の吉本佳生さんは2007年に週刊ダイヤモンドでMRIの問題点を指摘していたそうだ(MRIインターナショナルによるMARS投資が投資詐欺であることがやっと暴かれるようだが……: 損益は糾える縄の如し(吉本佳生ブログ))。吉本さんと言えば、一昨日、書店に行ったら、新刊の「日本の景気は賃金が決める」があったので買った。既に橘玲さんらがネットに書評を書いている。僕も早く読もう。

 異次元緩和によって国債長期金利が最低になったので、運用に困った生保は外債投資を拡大する方針だ。個人が海外投資する場合はこういう怪しいところもあるので十分注意したいところ。高いリターンをうたっているところはまず怪しいと思った方がいい。しっかりした会社のETFか投資信託にしておいた方が無難だ。ひふみ投信の藤野英人さんはFacebookで「金融庁はこれをやってたんだなあ。次はあそこか」とコメントしている。次はやっぱりあそこなのかな(^^ゞ

2013/04/20(土)「相棒シリーズ X-DAY」

 恐らく脚本家はパソコンの知識にも金融市場の知識にも乏しいのだろう。この程度の脚本で映画を撮ろうとするのは無茶だ。

 X DAYとは国が金融封鎖をする日を言う。そのX DAYを知ったところで国債の空売りには何ら関係がない。国債の暴落を当て込んで空売りするわけだから、金融封鎖の日を知っても、その時には既に国債が暴落しており、空売りするには遅いのだ。だから犯人がX DAYを教えろと迫ることに説得力がない。この犯人、勘違いしている(脚本家も勘違いしている)。これ、根本的な欠陥。

 国債暴落時のシミュレーションを考えてみよう。国債が暴落すると、国債を大量に購入している金融機関の中には破綻するところが出てくる。ここで脚本家は取り付け騒ぎが起きると思ったのだろう。ところが、預金保険機構によって元本1000万円とその利子までは保護されることになっている。もちろん、そそっかしい預金者は銀行に駆けつけるかもしれないし、1000万円以上の預金がある人も慌てるだろうが、国が金融封鎖をするほどのことはない。

 金融封鎖のシミュレーションで銀行にシステム障害を起こすこと自体がバカバカしいが、これは立派な犯罪であり、こういうアホなことを画策した政府高官の方を逮捕すべきだろう。そこに話が向かわないのが不思議すぎる。

 このほか、動画投稿サイトにテキストデータをアップするというあり得ない設定やクライマックスに大量に舞う1万円札の無理な描写(あのトランクの1万円札に帯封はなかったのか、あれだけ舞うには相当の強風が必要だが、そんな描写もない)、犯人の逮捕容疑が殺人なのも大いに疑問(せいぜい過失致死)。これほど穴の多い脚本も珍しく、見ていて開いた口がふさがらない。

2013/04/14(日)「舟を編む」

 本屋大賞受賞の三浦しおんの原作を石井裕也監督が映画化。主人公の馬締(まじめ=松田龍平)をはじめ、辞書作りに打ち込む人たちを描いている。映画の白眉は馬締からの草書体の達筆の手紙を受け取った香具矢(かぐや=宮崎あおい)が「学がない私が悪いんですけどね」と馬締をなじる場面だ。手紙の文字をまったく読めなかった香具矢は勤め先である料亭の大将に読んでもらったのだ。

「でも、恥ずかしかった。こういうのは自分だけで読みたいもんじゃない。誰にも見て貰いたくないと思うんだよね。大将が、良いのか、って何度も聞いたけど、内容知りたいし、それしか方法無かったから……そういうとこ、みっちゃんってデリカシー欠けるよね」

「すみませんでした」

「手紙じゃなくて言葉で聞きたい」

「はい?」

「みっちゃんの口から聞きたい。今」

「今って、今ですか?」

 ここから映画は馬締と香具矢のラブストーリーになるのかと思ったら、そうはならず、言葉とコミュニケーションという問題を掘り下げるメタフィクションの方に行くのかと思ったら、そうもならず、やっぱり辞書作りの本筋に戻っていく。メタフィクション的な展開も小説ならいいのだけれど、映画にするのには向かないから、これは当たり前だと思うが、少し残念な気持ちもある。原作はどうなのだろう。

 渡辺美佐子や小林薫、加藤剛、オダギリジョー、池脇千鶴らが適役適所の好演をしていて、映画はうまくまとまった佳作に仕上がったと思う。ちなみに、かなり変わったキャラクターの主人公はアスペルガー症候群ではないかと思う。他人の気持ちが分からない、自分の気持ちをうまく伝えられない、特定の物事に集中する、というのはアスペルガー症候群の患者の特徴にぴったりだ。

2013/04/13(土)甘利越え

甘利明経済再生相が「3月末までに日経平均は1万3000円」と言ったのは2月初め。それより少し遅れて日経平均株価は1万3000円を越えたので“甘利越え”と言われるようになった。もちろん、石川さゆりの「天城越え」のもじりだが、ユーモアのある人が替え歌を作った。一番だけ引用させていただく。

隠しきれない デフレ香が
いつしか日本に しみついた
誰かに盗られる くらいなら
バブルを起こして いいですか
値乱れて サプライズ
九十九折り 常連の買い
株上がり 円落ちる 肩の向こうに
あなた…… 兜町(しま)が燃える
何があっても もういいの
くろだと燃える 火をくぐり
あなたと越えたい 甘利越え

これ、思わず笑ってしまう。「隠しきれない デフレ香が」という歌い出しからクスクスだ。フルコーラスはかんべえの不規則発言にある。かんべえさんとは双日総合研究所の副所長・吉崎達彦さんとのこと。

驚いたのはこのページの作り、今時珍しくCSSを使っていず、HTMLだけで作ってある。インターネット普及初期のころはこういうページ多かったですね。ソースを見てみたら、なんと作成ソフトはMicrosoft FrontPage Express 2.0だった。これ、Windows98にインストールされていた無料のHTML作成ソフトで、僕も何度か使った。しかし10数年前のソフトなので、今では手に入れるのも難しいだろう(マイクロソフトの配布はとっくに終了しているが、探したら、ダウンロードできるページはあった)。かんべえさん、古いパソコンを使っているのだろうか。それとも、わざわざ新しいパソコンにインストールしたんだろうか。それがとても気になる。

2013/04/07(日)Viewsourcewithが動かない場合

 FirefoxのアドオンViewsourcewithで秀丸の設定ができず、しばらく悩んだ。試しにメモ帳を設定してみると、ちゃんと動作する。秀丸でページのソースを開こうとすると、「正しいパスを設定しなさい」とダイアログが出る。64ビットのWindows7に32ビットの秀丸を入れると、インストールパスがC:\Program Files (x86)\Hidemaru\Hidemaru.exeになるが、これがどうもダメらしい。カッコがいけないのだろう。
 64ビット版の秀丸のパスはC:\Program Files\Hidemaru\Hidemaru.exeになる。32ビット版の秀丸をアンインストールして64ビット版を入れ、設定しなおしたら動作するようになった。ただ、32ビット版の秀丸でも動くことがある。だから今まで32ビット版を使っていたのだ。Firefoxのバージョンによっては動かなくなるらしい。