2013/11/30(土)「ハワイ・マレー沖海戦」

 恐らく、この映画のクライマックスを見た1942年当時の観客は、1980年に「地獄の黙示録」を見た観客と同じぐらいの興奮にたたき込まれたのではないか。マレー沖海戦の部分には「ワルキューレの騎行」が流れ、パールハーバーの部分は実写とミニチュアを組み合わせた円谷英二の特撮が素晴らしすぎる。

 この映画の3年前には「キング・コング」という映画史に残る傑作があるにせよ、日本の特撮映画史においてこの映画が占める位置はとてつもなく大きいだろう。この映画から四半世紀後に作られたウルトラシリーズをある意味、軽くしのいでいると思う。

 映画は戦意高揚映画として始まるが、後半、そんなことはどうでもよくなり、「地獄の黙示録」との類似性もまたくっきりと浮かび上がる。後半1時間はドラマよりも戦闘シーンを見せるためだけに作られた観があるのだ。いけいけどんどんの作風。それはつまり国が意図した戦意高揚にもなっているには違いないが、そこだけに押し込めるにはもったいないと思わせる作品だ。

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