メッセージ

2002年09月13日の記事

2002/09/13(金)「光と闇の伝説 コリン・マッケンジー」

 「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンがニュージーランドの伝説的な監督コリン・マッケンジーの生涯を明らかにする作品である。これは知っている人は知っている“ドキュメンタリー”。

 しかし、映画の中身を知っている人は不幸で、何も知らずに見た方が楽しめる。「あれ、これは」と思いますものね。たぶん、どっきりカメラのコメディアンが出てくるあたりで。どういう映画か知っていると、まあ、こんなものかと思うぐらいでした。「フリッカー、あるいは映画の魔」(T・ローザック)のような展開になると、もっと面白かったかもしれない。

2002/09/13(金)「インソムニア」

 単調で何の変化もないので途中でうつらうつら。インソムニアとは不眠症の意味だが、ゆっくり眠れる作品である。

 アラスカのナイトミュートという町で起きた殺人事件をロス市警のアル・パチーノが捜査する。深い霧の中、犯人を追っていたパチーノは同僚の刑事を撃ってしまい、同僚は死ぬ。とっさに犯人が撃ったことにするが、それを犯人が目撃していたことから、パチーノは犯人に脅迫され、別の男を犯人に仕立て上げてしまう。パチーノはロスで内務調査班の調べを受けており、同僚は取引に応じようとしていたところだった。だから、パチーノが誤って撃ったのか、故意か灰色である。パチーノは白夜と良心の呵責から、不眠症に陥る。

 ミステリ作家の二階堂黎人がパンフレットで「ミステリー映画の新たな地平を拓く傑作」と書いているが、展開は極めてジュンブンガクである。だからつまらないのではなく、話に変化がないのがつらいところ。かといって登場人物の内面を深く掘り下げているわけでもない。僕には物足りなかった。

 パチーノを尊敬する女刑事にヒラリー・スワンク。あまり演技の見せ場がない。この映画、元々はノルウェーの作品で、それを「メメント」のクリストファー・ノーランがリメイクした。オリジナルの方を見たいところだ。

2002/09/13(金)「プロミス」

 イスラエルとパレスチナの子どもたちを取り上げたドキュメンタリー。これは明確な傑作だ。子どもたちの言葉の一つ一つに重みがあり、激しく心を揺れ動かされる。テロに脅え、仕返しに脅える生活などだれも望んではいない。投石で抵抗すれば、銃殺される。死と戦争が身近にある子どもたちはどこか大人びているが、少女や双子の兄弟が語る「殺し合いはしたくない。もっと話し合うべき」という言葉は純粋な気持ちから発している。確かに相手を殺し続ければ、いつかはいなくなるという考え方に取り憑かれた少年もいるのだが、そんな考えがすべてではないということを示したことがこの映画の大きな価値だ。

 こういう映画を見ると、排他的な宗教というのは人を不幸にするシステムなのではないかと思わざるを得ない。イスラエルとパレスチナは宗教が絡んでいるからややこしい。和平のためには政治的指導者ではなく、宗教的指導者が対話に乗り出す必要があると思う。

 タイトルのプロミスが実現する場面の奇跡的な幸福感には涙、涙である。しかもそれで終わらず、問題の根深さを指摘して終わるあたりが賢明なところ。和平は簡単ではないが、希望はある。その可能性を信じたくなる。必見。

OK キャンセル 確認 その他