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2004年12月24日の記事

2004/12/24(金)「ぼくんち」

 休みなのだが、まだ映画館に行くのは不安なので家でDVDを見る。阪本順治「ぼくんち」(2003年、キネ旬ベストテン10位)を見ていたら、これがまた肋骨に悪い出来。おかしくて何度も笑って苦しんだ。阪本監督作品としてはちょっと変わった映画だけど、人物のおかしさは「どついたるねん」あたりと共通する。子役2人もかわいいし、観月ありさに何より感心。中盤、トラックの荷台に立って、タンカを切るシーンなどぴたりと決まっている。傑作だと思う。

 しかし大笑いしたのは本編ではなくて、メイキング。岸部一徳と3人の子供のビニールハウスの場面で、阪本監督は岸部一徳に「ここで何かやってください」と頼んだそうだ。アドリブである。そこで岸部一徳が何をやったかというと、飛んでいるハエを手で捕まえる仕草を2回やった。「下妻物語」で樹木希林がやった仕草ですね。これ、本編の方でも笑ったが、アドリブと聞くとますますおかしくなる。

 「ぼくんち」の衣装合わせでは、あまりにもボロボロの衣装に温厚な岸部一徳もさすがにムッとしたそうだが、この人ははまり込むとホントにおかしい。

2004/12/24(金)「ゴシカ」

 ハル・ベリー主演のホラー。ちっとも怖くないのが困ったものだ。女子刑務所の精神科医ハル・ベリーがある夜、帰宅途中に下着姿の少女に出会う。少女のそばに近づいたベリーはそこで記憶が途切れる。気づくと、自分が勤務していた刑務所の中。ベリーは夫を殺したとして逮捕されていた。いったい何が起こったのか。孤立無援のベリーはなぜかあの少女の幽霊を見るようになる。

 因縁話に少女暴行犯の話を絡めてというプロットは当世風だが、話の展開の仕方は古い。ベリーはB級映画にも出る方針らしいからいいのだが、ペネロペ・クルスはほとんど演技のしどころのない役柄で、出る意味が分からない。監督はマシュー・カソビッツ。