2007/07/05(木)「ほしのこえ」
新海誠が注目を浴びるきっかけになった25分足らずの短編アニメ。
異星人タルシアンと戦うために国連軍に入った少女ミカコと地球で待ち続ける少年ノボルの携帯メールでのやり取りを描く。地球に届くまで数日かかっていたメールはミカコが冥王星付近に移動すると1年以上かかるようになり、シリウス星系に移動した後は8年以上かかるようになる。それだけのワンアイデア・ストーリー。時間と空間に引き裂かれた恋人たちを叙情性あふれるタッチで描くのは「秒速5センチメートル」と同じだ。
2046年の携帯があんなに古くさい形のはずはないとか、超光速移動ができるなら超光速通信もできるだろうというツッコミはいくらでもできる。新海誠はそういう技術的な話よりも8年後にメールが届くというロマンティシズムにしか興味がないようだから、仕方がない。SF的なセンス・オブ・ワンダーは皆無だが、それでも好きな人は好きなのだろう。