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ジョン・アーヴィングの原作をアーヴィング自身が脚色し、「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」「ギルバート・グレイプ」のラッセ・ハルストレムが監督した。原作を読んでいないが、映画は少年が大人になる上で必要な通過儀礼を描いた趣だ。僕はなんとなく、ケム・ナンの小説「源にふれろ」を思い出した。アメリカの小説にはこうした通過儀礼を描いたものってよくありますね。フレドリック・ブラウン「シカゴ・ブルース」なんかもそう。映画では「おもいでの夏」がこれに入ると思う。
原作はもっと長期間にわたる話らしいが、このテーマに絞って脚色したアーヴィングの姿勢は間違ってはいないと思う。主人公が孤児院に帰ってくるラストで何だか胸が詰まった。アカデミー脚色賞を受賞したのもうなづける。同じく助演男優賞を受賞したマイケル・ケインもいいし、主人公の相手役を務めるシャーリーズ・セロンも魅力的。「ノイズ」「レインディア・ゲーム」と出演作が相次いで公開されており、好調さをうかがわせる。