2008/07/30(水)あなたの走りがこの星を救う
auのRun & Walkで行っているキャンペーン。歩いたり走ったりした距離1キロに付き1円が24時間テレビに寄付される。期間は8月1日から31日まで。僕はRun & Walkを始めてまだ3日目で、歩いた距離は12.5キロ。平均すると、1日4キロ余りで、1カ月このペースで歩いても120円程度にしかならない。全国で参加している人は7000人から8000人はいるみたいだから、1人が3キロ歩いたとして1日2万円以上にはなるか。
Run & Walkはやってて楽しい。自動的にグラフ化してくれるのはモチベーションを高めることになる。携帯はG'zOne W62CAにしたが、ウオーキングやランニングを本格的にやるならSporioの方が良かったかな。Sportioはとにかく超コンパクトなので運動時に携帯していても邪魔にならないだろう。
秋に出るらしい。窓の杜によると、5年ぶりのバージョンアップとか。僕が使っていたWZはバージョン4.0で、なんとなく買ってなんとなく使い始めた。そのころも既に秀丸は使っていたけど、検索(GREP)に関してはWZの方が随分速かった印象がある。メーラーも付属していたのがメリットだったが、今や秀丸にも秀丸メールがある。
WZと秀丸で一番違うのはマクロではないかと思う。秀丸のマクロが初心者でも少し勉強すれば、ちょっとした便利なマクロが書けるのに対してWZのマクロは難しい。その分、高機能なことができるのだろうけど、一般ユーザーが普通に使うにはそんなに高度なことはしませんからね。もっとも秀丸のマクロもどれぐらいの人が自作しているかはよく知らない。
WZのバージョンアップ価格はダウンロード版の場合、3255円。それぐらいなら買ってもいいかなという気がする。
2008/07/28(月)「ハプニング」
不思議なのはなぜこの程度のアイデアの脚本でプロデューサーが映画化を決めたのかということだ。普通ならば、この思いつき程度のアイデアを補強するために脚本家は知恵を絞るだろう。どうやったらリアルなものにできるか、観客に信じてもらえるかを考えるはずだ。M・ナイト・シャマランの場合、それはさっさと放棄して、好意的に言えば、状況を語ることに力を注ぐ。だから魅力的な状況は描けてもネタを知らされたら、何それ、ということになる。どうもシャマラン、基本のアイデアではなく、シチュエーションを先に考えるタイプなのではないかと思う。この状況の説明のために何とか考えたのがこのリアリティー皆無のネタなのだろう。ま、「シックス・センス」の場合はネタが最初にあったのでしょうけどね。
ニューヨークのセントラル・パークで人々が突然足を止め、ベンチに座っていた女性2人のうち1人が髪留めを外して自分の喉に突き立てる、という始まりはショッキングだ。それに続く、工事現場で人がバラバラと飛び降り自殺をするという場面も面白い。アメリカの東海岸一帯で人々が突然おかしくなり、自殺を始める。何らかの毒物が蔓延し始めたらしいというのが予告編で描かれたこと。ここから映画は一組の夫婦に話を絞り、街なかでの大状況から家族単位の小状況に話を移行させ、サスペンスを煽る。この手法は内容のバカバカしさと併せて「サイン」を思い起こさずにはいられない。
終盤に登場するある人物がすべてのカギを握っていたという展開ならまだ良かったのかもしれないと思う。命からがら逃げた場所が状況の原因を作っている人物の場所だった、というシチュエーションはホラーなり、SFなりによくある設定である。これの方がまだ話に説得力があっただろう。シャマランもそれを思いついたのかもしれないが、それに説得力を持たせることができなくて放棄したのかもしれない、と想像してしまう。
状況の面白さとアイデアの陳腐さが対照的なトンデモ映画の1本だと思う。シャマランにとってはこういう作品、「サイン」に続いて2本目だ。シャマラン、限りなく才能が枯渇していっているのではないか。
パンフレットの監督インタビューで、映画で起こる現象について理由が明かされないのは意図的かと聞かれたシャマランはあきれたことを言っている。
「この描き方は先鋭的だと思う。僕は、スタジオのために大作を作る、インデペンデントな映画作家だと自認している。これまでにないタイプの物語に挑戦できる立場にあるんだ」
もう、バカかと思わざるを得ない。これが先鋭的だったら、世の中のクズ映画のほとんどは先鋭的だ。しかも理由がないのはヒッチコックの「鳥」と同じだなんて、たわけたことを言っている。この映画の問題はこれが起こりうる可能性を論理的に説明していないことなのだ。鳥が意図的に人間を攻撃することは現実にありうるが、この映画で起こることとの間には大きな開きがある。それが認識できていないとは、シャマランの頭の中は腐っているようだ。
2008/07/21(月)「エクスクロス 魔境伝説」
善良(に違いない)な父親がバカ(に違いない)な中3の娘に刺殺されるという事件があった。「寝ている時に父親が家族を殺す夢を見て、父親を殺そうと思いついた」のだそうだ。夢で殺されては父親は浮かばれない。ちなみに、うちの長女も中3。寝る時は気をつけないといけない。
「エクスクロス 魔境伝説」は劇場公開時に一部での評判の良さを気にしながら、見逃した。阿鹿里(あしかり)村といういかにもな名前の山奥の温泉地に来た若い女性2人(松下奈緒と鈴木亜美)が、足を切ろうとする村人たちからいかに逃げるかというストーリー。超常現象は出てこない。狂気の集団という点で「悪魔のいけにえ」あたりを思い起こさせるが、ホラーではなく、アクション、コメディの趣が強い。
原作は上甲宣之、監督は深作健太。深作健太は「バトル・ロワイアルII
鎮魂歌」でまるでダメだなと思ったが、今回はB級に徹したところが良かったのだろう。携帯の通話やメールを繰り返しているうちに誰が敵で誰が味方か分からなくなる展開がポイントで、主人公は疑心暗鬼にとらわれながら逃げ惑う。逃げた後の終盤の反撃が気持ち良い(狂気の村人たちが弱すぎる気もする)。携帯でずっと助けてくれた男の正体も笑った。
鈴木亜美にあまり興味はないが、松下奈緒は良いですね。このほか、小沢真珠(怪演)と中川翔子を出しているのは監督の趣味なのか。
2008/07/20(日)「クライマーズ・ハイ」
横山秀夫のベストセラーを原田眞人監督が映画化。日航ジャンボ機墜落事件を報道する地方新聞社の激動の1週間を圧倒的な迫力で描ききった。これは原田眞人最良の作品だと思う。いつものように細かいカット割りとさまざまな細かい技術を組み合わせながら、それだけが目に付いた「魍魎の匣」とは違って、まったく気にならない。というか、物語を語るために技術が総動員されているので、技術だけが浮き上がって見えないのだ。コマ伸ばしの効果的な使い方は久しぶりに見た(だいたい、コマ伸ばしなんて若い監督は知らないだろう)。冒頭、原作の解体の仕方がうまいなと思わせるが、その後は原作とじっくり向き合って作ってある。
原田監督作品としては銀行を舞台にした傑作「金融腐蝕列島 [呪縛]」(1999年)に連なる映画であり、「呪縛」がそうであったように新聞社内の闘争がめっぽう面白い。主人公はさまざまな障害に遭い、人間関係の軋轢に悩まされながらも紙面製作に邁進する。どこの会社や組織でもありうることと思えるのは原作を読んだ時にも感じたことだが、映画もそういう作りになっている。原作の面白さを生かしながら、原田眞人は自分の映画に仕上げており、監督の言う“言葉のボクシング”が炸裂した熱い映画になっている。今年のベストテン上位は決定的という印象だ。
主人公の悠木和雅(堤真一)は群馬県の北関東新聞の記者。1985年8月12日、販売局の安西(高嶋政宏)と谷川岳の衝立岩に向かおうとした時にジャンボジェット機不明の第一報が入る。乗客524人、墜落したとすれば、未曾有の事故だ。悠木は事故報道の全権デスクを命じられる。社内には無線機がなかった。翌日、現場に向かった県警キャップの佐山(堺雅人)は必死の思いで取材し、山を下りて電話で送稿する。しかし、輪転機の故障で締め切りが早まったことを悠木は知らされていなかった。社内にはかつて大久保清事件と連合赤軍事件で名前を売った上司たちがおり、事故の大きさをやっかみ、悠木たちの報道に妨害を仕掛けてくる。さらに安西がくも膜下出血で倒れ、その裏に会社の過酷な業務命令があったことが分かる。
脚本は成島出と加藤正人の初稿を原田監督が手直したという。ビリー・ワイルダー「地獄の英雄」(Ace in the Hole、1951年)のセリフ「チェック、ダブルチェック」を効果的に引用し、クライマックス、主人公が事故原因のスクープを掲載するかどうかを判断する場面の効果を上げている。このエピソード、まるで原作にもあったかのようにピッタリと収まっており、ハリウッド映画に詳しい原田眞人らしいアレンジだと思う。
登場人物は主演の堤真一をはじめ、堺雅人、遠藤憲一、蛍雪次朗、でんでん、田口トモロヲ、マギー、中村育二ら端役に至るまで素晴らしい。気になったのは販売局長(皆川猿時)のヤクザみたいな描き方と山崎努演じる社長のいかにもといった感じの悪役ぶり。1985年の日航機墜落事件と2007年の谷川岳登山を交互に語る映画の構成も後半に至って、単調に思えてくるのだけれど、小さな傷と言うべきだろう。緊張感を伴って突っ走る2時間25分。怒り、悲しみ、屈辱、後悔などさまざまな人間感情が噴出する様子は見応え十分だ。
2008/07/16(水)「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」
昨年11月ごろからスロートレーニングを始めて3カ月ほど続けた。体重が目標値まで落ちたので、その後はあまり熱心にやらなくなった。この本を読んで、またちょっと熱心にやろうかという気になった。著者はトレーナーとしてプロのアスリートや外資系エグゼクティブ、経営者などを指導した経歴を持つ。その体験から仕事のできる人は自分の体の管理もできていることを知ったという。
「アメリカのエグゼクティブの間では、肥満は問題外、たんに痩せているだけでなく、トレーニングによって体を鍛えるのがもはや常識になっている」のだそうだ。
体を鍛えるためには徐々に筋肉への負荷を強めていく必要がある。この当たり前のことを僕は実践してなくて、腕立て伏せやレッグレイズの回数を増やしていなかった。骨格筋率がなかなか上がらなかったのは負荷を強めなかったためだろう。体重は8キロ余り落ちて体は軽くなっているのだから、同じ回数やっていては始めた頃よりも負荷は弱まっていることになる。これでは筋肉が付くわけがない。
タイトルが魅力的なためもあって、この本、売れているらしい。ただし、タイトルとは裏腹に筋トレをする人が必ずしも仕事ができるとはかぎらないのが悩ましいところではある。それにこの本を読んでもトレーニングの仕方は分からない。体を鍛えなくては、という動機付けにはなるだろう。
筋トレの実践的な方法は石井直方さんの本(「体脂肪が落ちるトレーニング」とか)を読んだ方がいい。石井さんの本はトレーニングの実践法だけでなく、理論的にも優れていて、これまた大いに筋トレのモチベーションを高めてくれる。