2017/01/08(日)禁煙できないという思い込みについて

 喫煙者が「ニコチンを求めてタバコを吸い、タールによって死亡する」のであれば、タールゼロのプルーム・テックを吸っている限り、健康には何の問題もないはずだ。ところが、プルーム・テックのパッケージには「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性や肺気腫を悪化させる危険性を高めます」という一般のタバコと同じ注意書きがある。これはタールのない喫煙の健康への影響が医学的に明らかになっていないためだろう。プルーム・テックが健康にどんな影響を及ぼすかはユーザーの今後の健康状態を追跡調査しなければ、分からない。

プルーム・テックのパッケージにある注意書き

 20歳でタバコを吸い始めて30数年、禁煙したことは一度もない。喫煙によって健康を害する不安がないわけではないが、今のところ、血圧、血糖値、体重をはじめ健康診断の数値はすべて正常の範囲内だ。2年前に受けた人間ドックでは担当の看護師さんから「人間ドックを受けた人の中でこんなに数値の良かった人は初めてです」と褒められた。しかし禁煙をしたことがないのは健康だからではない。僕には禁煙できないと思い込んでいたからだ。

 タバコが手元にないと不安になる。だから常に買い置きをしている。そんな生活をずっと続けてきた。昨年12月中旬にプルーム・テックを吸い始めてからも普通のタバコはやめなかった。ふと考えた。プルーム・テックは別においしいわけではないが、これだけでもやっていけるんだろうか? 昨年末、タバコを買うのをやめてみた。正月三が日は普通のタバコを吸いたくなったが、4日目からそうでもなくなった。ニコチンはプルーム・テックによって補充されているのだから、禁断症状がないのは当然だ。

 プルーム・テックのメリットはタバコを1本吸うという感覚がないことだ。普通のタバコは火をつけたら吸い終わるまでやめられない。いや、やめてもいいが、ちょっとだけ吸って火を消すのはもったいない。プルーム・テックの場合、すぐに吸えるし、いつでもやめられる。経済的なのだ。

 1個のたばこカプセルで50パフできる(50回吸える)から、10パフでタバコ1本吸うのと同じになるが、回数を数えながら吸うのは性格的に合わない。とりあえずニコチンを補充すればいいのだから、10回吸わず、数回でやめてもいい。だからそんな吸い方をした。喫煙場所(家でも会社でも)に行く頻度は同じなので、10回未満でやめると結果的にニコチンの摂取量は減る。

 先日書いたように味に関しては電子PAIPOの方がましなので、一昨日からプルーム・テックもやめて電子PAIPOだけにしてみた。意外なことにニコチンの禁断症状と呼べるような苦しさはまったくない。これはニコチン摂取量が減っていたからかもしれない。ニコチンが完全に体から抜けるには72時間かかるらしい。今後どうなるかは分からないが、このままニコチン依存から脱却できそうな感触はある。

 ニコチンの害について検索していて、「喜びに包まれる禁煙法」というブログにたどり着いた。元喫煙者の医師が書いているブログでとても面白い。健康不安を理由とした禁煙は失敗する確率が高いなど興味深い記事が多く、喫煙者には一読をお勧めする。そのブログの中で「多様性~タバコ脳の程度は十人十色~」という項目がある。禁煙にたやすく成功する人と失敗する人がいるのはなぜかを解説した内容だ。

 それによると、ニコチンを分解・排出する能力は人によって異なる。ニコチンの代謝能力の高い人は体内からニコチンが早く排出されるのでニコチンを摂取する機会が多くなり、依存傾向が強くなるそうだ。そういう人は禁煙に苦労することになる。自分ではニコチン依存度が高いと思っていたが、禁断症状らしきものがないということは依存度は低いのかもしれない。