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2015年08月03日の記事

2015/08/03(月)マデリーンとマデリン

 見逃していたヒッチコックの「三十九夜」をWOWOWメンバーズオンデマンドで見た。ヒッチコックが得意だった巻き込まれ型サスペンスの原型で、殺人犯に間違われた男が無実の罪を晴らすために警察から逃げながらスパイを追う。「北北西に進路を取れ」(1959年)はこの映画のリメイクと言っても良いぐらいプロットが似ている。原作はジョン・バカン。主演はロバート・ドーナット。

 ドーナットは逃走の途中でひょんなことからマデリーン・キャロルと手錠でつながれることになる。マデリーンはドーナットのことを殺人犯と思っている。2人は互いに反発するが、同行せざるを得ないシチュエーションだ。マデリーンは田舎の宿でドーナットが寝ている間に手錠を外す。その直後、ドーナットが言っていることが真実と分かる。ラストシーンは事件を解決したドーナットとマデリーンが手をつなぐ後ろ姿。2人の間にはロマンスが生まれたわけだが、ドーナットの手首にまだ手錠がはめられたままなのが面白い。男にとって結婚は1人の女に手錠でつながれるようなもの、と暗示しているのだろう。皮肉なヒッチコックらしいショットだ。

 マデリーン・キャロルが良かったのでKINENOTEで検索してみた。検索結果を見てびっくり。なんと2012年の「最高の人生のはじめ方」に出ていることになっている。「三十九夜」は今から80年前、1935年の映画で、この時、マデリーン・キャロルは20代後半ぐらいに見える。2012年の映画に出たとしたら、100歳を軽く超えていることになる。いくらなんでもこれはおかしい。マデリーン、いったい何歳なんだ?

 IMDbで調べると、「三十九夜」に出ているのはMadeleine Carroll、「最高の人生のはじめ方」の方はMadeline Carroll。マデリーンとマデリン、名前にeがあるかないかの違いなのである。KINENOTEの検索はマデリーンとマデリンの両方にヒットするらしい。というか、マデリンで検索しても部分一致でマデリーンしか出てこない。KINENOTEさん、間違ってますので修正よろしくお願いしますよ。

 映画人の中には同姓同名の人もけっこういる。IMDbはその場合、名前に(I)、(II)という風に付けて区別している。KINENOTEもそうした方がいいのではないか。