2006/09/26(火) ウイルスバスター2007でトラブル
トレンドマイクロのサイトで自動インストールをしようとしたら、ActiveXを有効にしないとインストールできない。セキュリティソフトがそういうことでいいのかなと思いつつ、IEの設定を変えて再度行う。
ファイルをダウンロードしてインストールが始まったが、途中でなぜか電源が切れて再起動する。そこからが大変だった。ウイルスバスターはインストールを再開しようとするのだが、「言語バージョンが異なるためインストールできません」とのダイアログが出て進まない。2006の方もアンインストールできない。再起動してもまたも同じダイアログが出るだけ。電源が切れたため、ファイルの一部が破損したのだろう。
セーフモードで起動したり、いろいろやってみたが、らちがあかないので伝家の宝刀・システムの復元をやってみる。これでOK。2006をアンインストールした後、2007をインストールした。それにしてもなぜ、途中で電源が切れたのだろう。
使えないウイルスバスター2007
上に書いたことは昨夜起きたこと。ここからは今日の夕方のこと。
僕の環境では使えないことがはっきり分かった。パソコンを起動してみたら、常駐ソフトを読み込み終えるところで勝手に電源が切れて再起動する。スキャンディスクとデフラグをした後だったので、CPUが熱くなってるのかと思ったが、違った。ウイルスバスターが起動しないセーフモードでは何ということもなく普通に起動するのだ(どうでもいいが、VAIOのセーフモードはF8キーを押しっぱなしではダメで、何度か連打する必要があった)。
インストールの状況は[教えて!goo] ウイルスバスター2007 30日間期間限定版。。。と同じ。環境によってはこういうことが起こるようだ。何が影響しているのかよく分からない。はっきりしたのは使えないことだけ。セーフモードでシステムの復元を行い、ウイルスバスター2007をインストールする前に戻したら正常に戻った。そこでウイルスバスター2006を再インストール。これで正常に使えているから、2007に何らかの不具合があるのは確実だろう。
昨年のパターンファイルによるCPU100%の不具合は記憶に新しいが、トレンドマイクロはまたやっちゃったんじゃないかという思いが沸々。修正版がでなければ、トレンドマイクロとはもうオサラバしたい。といっても来年11月まで更新期間が残っているのが腹立たしい。
2006/09/23(土)「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」
ウルトラマンシリーズ生誕40周年記念作品。出てくるのは初代ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン(今はウルトラマンジャックと呼ばれる)、ウルトラマンエース。どれもリアルタイムに見ていたので、黒部進、森次晃嗣、団時朗、高峰圭二が出てくると、懐かしさがこみ上げてくる。そういうノスタルジックというか40年の歴史の重みを一番感じさせるのはエンドロールで、桜井浩子やひし美ゆり子、星光子まで顔を出すのが何というか感涙ものである。桜井浩子はウルトラマンの後、実相寺昭雄の映画に出ていたし、ひし美ゆり子も東映映画などに出ていた(というか桜井浩子はウルトラマン以前からかなりの映画出演歴がある)。
メビウスの物語にウルトラ兄弟の面々を絡ませた展開は悪くないのだが、怪獣に襲われて心を閉ざした少年のエピソードに魅力を感じない。作劇としてうまくないのだ。加えて、GUYSの戦闘機のいかにもオモチャ然とした造型および質感は僕には見ていく上での障害でしかなかった。板野サーカスと言われるCG監督板野一郎のCGも取り立てて騒ぐ出来ではない。小中和哉監督作品としては大人の観賞を意識して作った前作「ULTRAMAN」(2004年)の方が面白く、今回の映画は子供向けストーリーの域を出ていないのが惜しい。マニアは喜ぶだろうが、ウルトラマン世代向けなのは懐かしさだけなのである。
20年前、異次元超人ヤプールの怨念で生まれた究極超獣Uキラーザウルスをウルトラ兄弟は協力して神戸沖に封印する。パワーを使い切ってしまったために4兄弟は変身能力を失い、以後は市井の民間人として暮らしていた。そして現在、GUYSのヒビノミライ(五十嵐隼士)は神戸に異変を感じて一人出動する。テンペラー星人、ガッツ星人、ナックル星人、ザラブ星人の宇宙人連合がUキラーザウルスを復活させようとしていたのだ。ミライは現れたテンペラー星人をメビウスに変身して倒すが、その戦いで宇宙人連合に能力を知られ、倒されて十字架に架けられてしまう。ウルトラ兄弟はメビウスを救うために死を覚悟して変身する。しかし、宇宙人連合の狙いは4兄弟の方にあった。兄弟のエネルギーでUキラーザウルスを復活させたのだ。
これが本筋でサイドストーリーとして描かれるのが、天才科学者ジングウジアヤ(いとうあいこ)の弟で怪獣に襲われて心を閉ざしたタカト(田中碧海)の話。タカトはGUYSとウルトラマンメビウスにあこがれていたが、一緒にいた愛犬を救おうとしなかった自分を責めていた。この話がどうもテレビシリーズレベルの話である。子供を意識したのだろうが、全体の流れから言えば不要としか思えない。クライマックスは巨大化したUキラーザウルスとウルトラ兄弟の戦いをCGを駆使して描く。ここはそれなりに見応えはあるものの、これがこの映画の魅力かと言えば、そうでもないだろう。子供なんか意識しなくていいから、ガチガチの4兄弟の話にした方が良かったように思う。
気になったのはミニチュアの神戸の街並みに登場する着ぐるみ怪獣たちのリアリティ欠如。平成ガメラシリーズも着ぐるみだったのに、あれはどうしてあんなにリアリティを持ち得たのか。たぶんドラマとエモーションががっちり組み合わさっていたからだろうと思う。ウルトラマンシリーズでも「ウルトラセブン」が名作だったのは脚本家・金城哲夫の存在が大きかった(どうでもいいが、この夏、石垣島に行った際、金城哲夫作品のDVDボックスのテレビCMが盛んに流れていた。沖縄では金城哲夫の名前でDVDが売れるのか)。映画の中にも引用されるキングジョーとの戦いや最終話のドラマティックさがこの映画にも必要なのだろう。小中和哉、次もウルトラマンを作るなら、脚本にもっと力を入れて欲しいと思う。
2006/09/23(土)「惑星大怪獣ネガドン」
怪獣映画マニアの作った昭和の怪獣映画風3DCG。監督の粟津順は1974年生まれで、学生時代に「ガメラ2 レギオン襲来」を見てショックを受け、怪獣映画の本格的なファンになったのだという。続く「ガメラ3 邪神覚醒」がCG作家を志すきっかけになったそうだ。「ネガドン」の怪獣が何となくイリスを思わせるのはそれが影響しているのかもしれない。
ストーリーは簡単で、火星のテラフォーミングが進む昭和百年が舞台。火星の地下から現れた怪獣が地球に落ちてくる。それを工事用ロボットのMI-6(ミロクと読む)が迎え撃つ。MI-6を操縦する中年の研究者は過去にロボットの事故で一人娘を亡くしているという設定。それだけの物語である。25分の短編だからこのストーリーで良いのだろうが、長編を作るなら、物語の工夫はもっと必要になってくるだろう。話は怪獣映画以上のものではない。SFの分かる脚本家が力を貸せば、もっと充実したものになると思う。
2年4カ月かけて一人で作った作品なので、良くできているところもあれば、そうでないところもあるが、技術的には水準以上と思う。可能性を感じさせる。人間のCGがあまりうまくないのはアメリカのピクサーあたりもそうだから仕方がない。うまくいかないのなら実写を使えばいいことで、粟津順には将来的に役者を使い、CGを組み合わせた怪獣映画を撮って欲しいところだ。
小説を書くように映像を作れる時代になったと、粟津順はDVDに収録されたインタビューで語っている。1人で作る方が良いのか、共同作業が良いのかは難しい問題ではある。監督に向く人も向かない人もいるだろうから、個人でうまくいった人が共同作業でも素晴らしい作品を作れるとは限らない。それでもこの技術を個人の枠内に収めておくのはもったいないと思う。より充実できる部分が多くあるからこそ、可能性も感じるのである。
2006/09/12(火)「さらば青春の光」
ザ・フーのアルバム「四重人格」(原題のQuadrophenia)を基に1960年代のイギリスの怒れる若者を描く。ジャケットのストーリーを引用すると、「1965年、ロンドン。広告代理店でメッセンジャーをしているジミー(フィル・ダニエルス)は、仕事そっちのけで、モッズの仲間たちとドラッグやダンスに明け暮れる毎日を過ごしている。街では皮ジャンにリーゼントスタイルのロッカーズも群をなしており、モッズたちとの対立は深まるばかり。ジミーが週末に仲間と訪れた海岸の街・ブライトンでも、モッズたちとロッカーズの衝突から暴動が起こり、彼自身もケンカに巻き込まれてしまう」。
主人公にとってはブライトンだけが完全燃焼した場所だったのだろう。そこから現実に帰ると、仕事も好きな女との仲もうまくいかなくなり、母親から家を追い出されてしまう。終盤は悪くないが、全体的にはあまりピンと来なかった。怒れる若者とはいっても、主人公が甘く感じられるのはこっちが年くったせいか。今の怒れる若者が見れば、それなりに共感できるところはあるのかもしれない。
キネ旬ベストテンに入っていたと思っていたら、入ってなかった。スティングがモッズのリーダー役で映画デビューを飾っている。監督はフランク・ロッダム。
2006/09/10(日)「ハリウッドで勝て!」
全米ナンバーワンヒットとなった「The Juon/呪怨」のプロデューサー一瀬隆重の本。といっても、本人が書いているわけではなく、大谷隆之という人が聞き書きで構成したもの。一瀬隆重が唯一監督した「帝都大戦」は「帝都物語」の続編で世間的にはあまり評判がよろしくなかったが、僕は超能力バトルの映画としてそれなりに面白く見た。→「帝都大戦」映画評。
この映画は「孔雀王」のラン・ナイチョイが降板してしまい、プロデューサーの一瀬がやむなく引き受けた経緯がある。一瀬は「『帝都大戦』はさんざんな結果に終わりました。この先、自分で監督を引き受けることは絶対にないでしょう」と語っている。しかし、この失敗から監督が映画製作の過程でどんなことを考えるかを身をもって知ることになる。この時の体験が後の「リング」に生かされた。
プロデューサーを務めた釈由美子主演「修羅雪姫」のパンフレットには「日本映画は今のままじゃダメだ。だから、今日の傑作やヒット作じゃなく、未来の大傑作や大ヒット作を生み出すために、失敗を恐れず実験しなきゃいけない」と書いていた(これについては2002年2月27日の日記にも書いた)。20世紀フォックスとファーストルック契約(スタジオから一定の報酬をもらう代わりに自分の企画はそのスタジオに最初に見せる契約)を結んだ今の一瀬は将来的にそれを実践するつもりなのだろう。テレビ局製作の映画が大ヒットしている現状について「このまま行けば、近い将来、日本映画は観客の信用をもう一度失うことになる」とあらためて語っている。
「ウルトラQ」の第1回目をテレビの前で心待ちにしていたというから、一瀬の映像体験は僕とほぼ共通している。インディペンデントのプロデューサーがハリウッドでどのようにステップを上がっていきつつあるかが、よく分かる本である。
個人的に興味があったのは「映画投資ファンド」の話で、映画「忍 SHINOBI」では一口10万円で個人投資家を募り、1300人が応募して5億円余りを調達したそうだ。規制が多くて中小の会社では難しい面があるそうだが、これは機会があったら投資してみたいなと思う。それには少なくとも大幅な元本割れがないようにしてほしい。理想は100円でも200円でも投資額を上回るリターンが望ましいのだが、映画ビジネスの場合、大ヒットにならないと、難しいだろう。貯金しても大した利子はないのだから、映画に投資した方がましである。