2011/09/28(水)「スーパーマン4 最強の敵」
旧スーパーマンシリーズでこれだけ見ていなかった。評判が悪かったためだが、なるほどと思う。ダブルデートでスーパーマンとクラーク・ケントが行ったり来たりするシーンなど何をやっているのか。キャスト、特にロイス・レーン役のマーゴット・キダーの容色の衰えが目立ち、マリエル・ヘミングウェイもごつい感じを受ける。終わるべくして終わったシリーズなのだろう。もっとも3作目もスケールダウンがひどかったのだった。旧シリーズはリチャード・レスターが同時に撮った1、2作目だけで良かったのだと思う。
2011/09/24(土)「ワイルド・スピード MEGA MAX」
最後の最後にあの女優が出てくる。あれ、なんで、とシリーズを見ていない僕は思った。WebCGの読んでますカー、観てますカー(執筆はNAVIの元編集長)を読んで、ああ、そういうことなのか、と思った。いくらシリーズをスケールアップしてストリートレース以外の要素を取り入れたとはいっても、シリーズを見ていないと、分からないことはあるのだ。
だいたい、リオデジャネイロのボスの金を全部奪い取るという計画に集められた面々はこれまでのシリーズに登場してきたメンバーだったらしく、僕はそれも知らなかったので、なんでこんな地味な役者たちがと思ったりしたのだ。だから、やっぱりこの映画はシリーズをずっと見てきた観客の方が絶対に楽しめるだろう。
映画は「ちょっとそれは無理だろう」というシーンがクライマックスにあるし、作りに荒っぽい部分もあるのだけれど、僕はそれなりに面白かった。アクションのスケールがなかなかである。ジャスティン・リン監督、頑張っている。インプレッサやフェアレディZなど日本車が出てくるのもよろしい。最後を締めるのは日産GTRだ。やっぱり、この車、公道を走るレーシングカーという感じがする。
主演のヴィン・ディーゼルは恰幅をまして魅力を増した。悪役みたいに見えるFBI捜査官ドゥエイン・ジョンソンも迫力があっていい。ジョーダナ・ブリュースターは「パラサイト」で初めて見て伸びる女優かなとおもったけれど、そういうこともないまま年を重ねた感じ。これはちょっと残念だった。
さらに続きを作りますよという終わり方なので、次作が公開されるまでに過去のシリーズも見ておきたい。
2011/09/19(月)「世界侵略:ロサンゼルス決戦」
リドリー・スコット「ブラックホーク・ダウン」を思わせるような描写、展開である。と思ったら、監督のジョナサン・リーベスマンが目指したのは「『ブラックホーク・ダウン』と『エイリアン2』を合わせたようなSF戦争映画だった」のだそうだ。なるほど。道理で似ているわけだ。海兵隊の一部隊を軸にして描かれる異星人との戦い。これを中心にしすぎたために、侵略の全体像の描写が少なくなってしまい、SFというよりは戦争映画の感触に近い作品になった。これならば、敵はエイリアンでなくてもいいのである。リーベスマンにはスコットほどの映像感覚はないので、途中で飽きてしまった。ドラマの作り込みも弱い。
2011/09/19(月)「スプライス」
ヴィンチェンゾ・ナタリは異能とか異才という言葉がぴったりの監督に思える。「CUBE」も「カンパニー・マン」も通常の発想では作れない作品だと思う。この映画の場合は通常の発想で作れるのだけれど、遺伝子操作で誕生した新しい生命体の気味の悪さが尋常ではない。人間のようで人間とは非なるもの。生まれた時は羽根をむしった鳥のような形態で、毒針のあるしっぽを持つ。成長するにしたがって人間の姿に近づくが、言葉はしゃべれず、足は鳥の足のような形のまま。それが人間に恋をするから始末に負えない。
NERD(オタクだ)という研究機関に勤め、生命体を誕生させる研究者夫婦はマッド・サイエンティストなのだが、そうは見えないエイドリアン・ブロディとサラ・ポーリーが演じているのがポイントか。気味の悪い生命体にドレン(DREN=NERDの逆)と名付け、かわいがるのが尋常ではない精神構造を表している。
2011/09/10(土)「ミッドナイト・ミート・トレイン」
クライヴ・バーカー原作で血の本シリーズの第1作「ミッドナイト・ミートトレイン」を読んだのはもう20年以上前。電車の中のスプラッターという記憶しか残っていない。映画は北村龍平監督のアメリカ映画デビュー作であり、不遇な公開のされ方をしたらしいが、作品自体はよくできたホラーになっている。屠殺場に勤め、地下鉄で殺戮を続けるマホガニーを演じるヴィニー・ジョーンズが怖い無表情をしていて秀逸。主演は「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」のブラッドリー・クーパー。ブルック・シールズも久しぶりに出ている。