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2018年04月01日の記事

2018/04/01(日)新社会人向けの「お金で損しないシンプルな真実」

 経済評論家の山崎元さんの新著「お金で損しないシンプルな真実」はサブタイトルに「人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい」とある。今月から新社会人となる長男に読ませるのに最適と思って買ったが、先に読んだ。

 3章に分かれていて、第1章「人生とお金で大事なことをざっくりおさえよう」、第2章「お金は、だまされずにじっくり増やそう」、第3章「未来のお金とどう付き合うか」。内容はこれまでの山崎元さんの本と大きく変わるところはない。それでも山崎さんの本を読みたくなるのは内容がいつも明快であることに加えて、自分の投資法が間違っていないか時々確認したくなるためだ。

 その意味では運用に関することをまとめた第2章が参考になる。投信選びで手数料が重要なのは言うまでもないが、どれぐらいの手数料を想定すれば良いのか。本書には「手数料0.5%以上は『取られすぎ』だと判断する」(147ページ)とある。さらに165ページには「運用管理手数料(信託報酬)が年率0.3%を超えるものはすべて『地雷』です」とあって驚いた。0.3%以上が地雷となると、僕が保有している投信の多くは地雷になってしまう。

 保有している投信は12本で、これはいくらなんでも多すぎる。3、4本にまとめたいと思っていて、手数料の高いものから売却していくつもりだ。ただし、手数料は高くてもリターンがとんでもなく高い投信もあって悩ましい。例えば、アクティブ型投信の「ひふみプラス」の場合、手数料は年率1%程度と問題外の高さなのだけれど、リターンも高くて(僕の場合)234%と、破格に高いレベルになっている。これは日本株が安い時に積み立てを始め、ここ2年ほどは積み立てをストップしているためもある。買い続けていれば、株価の上昇にともなって購入単価も上がり、リターンは相対的に低くなっていただろう。

 これほどリターンが高いなら、1%程度の手数料がなんだという気になってくる。もちろん、このリターンの高さが今後も続くとは限らない。アクティブ投信がインデックス投信に勝ち続ける例は少ないということも分かっている。しかし投資額がポートフォリオのメインにならない範囲であるなら、保有しておいて悪いわけではないだろう。

 などと、いろいろ考えながら読める本だ。200ページ足らずの本なのでサラッと読める。新社会人のほか、これから投資を始めたい人、僕のように投資法を確認したい人にも向いているだろう。