2021/02/24(水)「キネマの天地」で刺さった場面

 昨年末からNetflixで「男はつらいよ」シリーズを第1作から順番に見始めた。ようやく24作目「寅次郎春の夢」(1979年)に入ったところ。Netflixだと連続ドラマのように1本終わると次が始まる。えーと、これは何本目だったかと調べる必要がないのが便利だ。

 その流れで同じ山田洋次監督の「キネマの天地」(1986年)をWOWOWオンデマンドで見た。これを劇場公開時に見なかったのは深作欣二監督の傑作「蒲田行進曲」(1982年)の二番煎じに思えたからだ。映画自体の評価もそれほど高くはなかった。と思って調べたら、1986年度のキネ旬ベストテン9位に入ってた。ただし、KINENOTEの採点は69点、Filmarksでは3.5点だから、今の観客の評価としては普通の出来というところだろう。

 そうした思い込みもあって前半はボーッと眺めていたのだが、中盤に刺さる場面があった。始まって1時間15分ぐらいからの場面。脚本家・島田健二郎(中井貴一)の下宿に大学時代の先輩で左翼活動をして警察に追われている小田切(平田満)がやってきて話し込む。島田は好きだった新人女優の小春(有森也実)を男優(田中健)に取られて映画の仕事が嫌になっていた。

「顔色が悪いですよ。大丈夫ですか、体は」
「いっそのこと捕まった方が楽だと思うことがあるよ、近頃は。ヒトラーのドイツが国際連盟を脱退しただろ。怖い時代になってきたよ」
「そんな時にバカみたいな活動写真作ってるんだもんなあ。俺、もうやめようかと思ってるんですよ、こんな絶望的な撮影所なんて」
「小倉金之助だったよな、君の師匠は」
「ええ」
「いつだったかなあ、錦糸町の小さな劇場(こや)で、『父何処』見たぜ。俺、なんべんも涙出たけどな」
「あんな下らない作品でですか?」
「少し気が弱くなっているせいもあるけど…。しかし、君は就いてたんだろう、あの映画にも」
「ええ」
「だったら、そんな言い方するなよ。なけなしの財布はたいて、あの映画見て、泣いたり笑ったりしている大衆にもっと責任持ってくれよ」
「じゃあ、ここで泣け、ここで笑え、そういう映画を作ってりゃいいんですか?」
「そんなこと言ってないよ」
「大衆に責任を持つというのはじゃあ、どういう意味ですか?」
「おぼっちゃん育ちだなあ、君は。どうしてもっと優しく映画を見ないんだ。どんな下らない映画でも可能性を持っているはずだぞ。信じろよ、映画を。いや、活動写真を。君は素晴らしい仕事をしてるんだぞ」
「変わらないなあ、小田切さんは」
「(壁のポスターを見ながら)…ジャン・ギャバンか。君と映画館をはしごしたっけ。希望にあふれてたなあ、あの頃は。気安く絶望なんて言葉を吐くのはよせよ。な、作ってくれよ、生きる望みを与えてくれるような映画を」
「キネマの天地」の一場面

 この後、警察が踏み込んできて2人は逮捕される。拷問を受けて釈放された島田は実家で両手をあかぎれで真っ赤にしながら拭き掃除をしている下働きの少女を見て、ふと問いかける。「映画を、いや、活動写真を見たことはあるかい? 面白かったかい?」。少女は目を輝かせて大きくうなずく。島田はそれを見て映画への情熱を取り戻すことになる。

 平田満の言葉が心に響くのは夢や希望を持たせる装置としての映画の力を信じているからだ。それは山田洋次監督が信じていることでもあるのだろう。

 「キネマの天地」には渥美清をはじめ「男はつらいよ」シリーズでおなじみの倍賞千恵子、前田吟、下條正巳、三崎千恵子、吉岡秀隆らの俳優が多数出演している。恐らく興行収入を担保するための松竹の要請だったのだろう。僕は「男はつらいよ」は好きだし、渥美清も小春の父親役を好演しているのだが、別の映画なのだから別のキャストの方が良かったのではないかと思う。もっとも、今となっては若い観客がそんなに「男はつらいよ」シリーズを見ているとも思えず、キャストがそれぞれに好演しているのなら不都合はないのかもしれない。

2021/02/23(火)コードレス電話機買い換え

 9年余り使っていたファクス付き複合機(ブラザー製MFC-J955DN)が壊れた。紙詰まりのエラー表示が出てプリンタが使えない。いくら探しても紙は詰まっていない。もう寿命なのでしょう。電話部分は異常ないのでしばらく使っていたが、ずーっとエラー表示が出ているのも気になるので買い換えた。もはやファクスは不要だから、Panasonicの普通のコードレス電話機(VE-GD37DL-S)にした。

 ポイントは迷惑電話防止機能で、0120や0800から始まる番号の電話は着信拒否ができる(ナンバーディスプレーサービスが必要)。番号非通知や公衆電話からの電話も拒否できるが、公衆電話は家族が外からかけてくる場合があるかもしれないので、これは拒否していない。このほか、迷惑電話を第三者に聞いてもらう「迷惑電話相談」機能もある(個人的には不要)。

 留守番電話のメッセージは「ただいま電話に出ることができません」と流れる。「留守にしています」と流すと、空き巣に狙われるからだろう。

 設置して10日ほどになるが、ほとんど呼び出し音が鳴らない。これは迷惑電話を撃退しているのか、かかってきていないのか分からない。ログを残す機能があっても良さそうなものだが、まあ不要なのでしょう。

 製品を探す際に思ったのは選択肢が少ないこと。中国製を除くと、Panasonicかシャープの製品しかなかった。携帯電話の普及で家電(いえでん)って需要の少ない製品になっているようだ。僕がいつも利用する散髪屋さんの予約電話も家電を廃止して携帯電話になったものなあ。

 日本で営利誘拐など電話を使った犯罪が成立しにくくなったのは電話での身代金要求がほぼ不可能になったためもあるのだろう。映画「太陽を盗んだ男」(1979年)では犯人(沢田研二)がかけてくる公衆電話の場所を特定するために他の電話を一時的にすべて使えなくするという無茶な方法を取らなくてはならなかったが、今は瞬時にたどり着けるのでしょう。第一、公衆電話が激減していますからね。詐欺電話もナンバーディスプレー契約や録音宣言機能でほとんど撃退できると思う。

 書いていて、ふと思ったのだが、「新世紀エヴァンゲリオン」のヤシマ作戦は他の電話を使えなくするというのを電力に置き換えたものではないのか。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」で「太陽を盗んだ男」の音楽を使っていたぐらいだから、庵野秀明はこの映画を相当に好きだったのだろう。発想のヒントになった可能性は大きいと思う。

 ここで追記しておくと、自分の「破」の映画評を読み返したら、「(「太陽を盗んだ男」の音楽は)絵コンテとイメージボードを担当した樋口真嗣の趣味なのだという」と書いていた。すっかり忘れていました。


2021/02/19(金)ようやく常時SSL化

 Firefoxでアクセスすると、危険なページと警告されるようになって、ようやくSSL対応を考えることにした。さくらのレンタルサーバーでは以前から無料SSLが使える。サイトをHTMLで作っていた頃にもやってみたことがあったが、画像のリンクなどで不具合があり、やめた。今はその頃とは違ってCMSを使っているし、利用できる無料SSLもLet's Encryptに変わっている。コントロールパネルから導入したら、簡単にできた。

 ただし、いくつか不具合は出た。他サイトのRSSを読みに行くようなPHPの古いスクリプトは動かなくなった。httpでアクセスしてもhttpsにリダイレクトするように.htaccessを書き換えたが、スクリプト関係ではいちいちhttpsに書き換えなくてはいけないものもあった。まだ動かないスクリプトがあるが、とりあえず大きな問題はない(いくつかあったが、解消した)。

 今年1月現在で常時SSL化している上場企業の割合は82.6%とのこと(フィードテイラー 常時SSL化調査レポート)。さすがに上場企業は導入が進んでいる。GoogleがSSL化しているサイトの検索結果を優先したり、ブラウザに警告表示が出たりすると、やっぱり気になるのでしょう。宮崎県関係では宮崎銀行は上場企業だが、ネットバンキングのページはSSL化しているものの、トップページを含め、他のページはSSL化されていない。九州の地銀で常時SSL化していないのは、ほかに十八親和銀行(長崎)と北九州銀行(福岡)の計3行だった。

 僕がよく利用するサイトではKINENOTEが常時SSLではない。設定ページはSSL化してある。

2021/02/18(木)UQ mobileに乗り換え

 auからUQ mobileに乗り換えた。当初はauの新プランpovoに切り替えることを考えたが、20GBもデータを使わない。今は毎月、1GB以下しか使っていないのだ。UQ mobileの「くりこしプラン」は3GBで1480円(税込み1628円)。通話料は毎月、200円~300円なので2000円でお釣りが来る計算だ。

 11日にauに電話してMNP予約番号をもらおうとしたら、そこでUQ mobileへの申し込みまでできてしまった。さすが経営を統合しただけのことはある。ただし、この電話でメールアドレスを間違って伝えてしまい、翌日、電話し直すことになった。電話でアドレス伝えるのは間違いの元なので、予約番号だけもらってサイトから申し込んだ方がいいかも。

 SIMカードは今日届いた。申し込み電話からちょうど1週間。今使っているスマホはシャープのAquos R2で、SIMロック解除は不要。SIMを差し替えれば使える。さっそく入れ替え、APN設定をしたが、ネットにつながらない。説明書読んだら、APN設定の前に回線切り替えを行わなくてはならないのだった。パソコンでmy UQ mobileにログインし、手続きした。スマホでも可能だが、回線切り替え前のSIMを使っての手続きはできないので、WiFi接続が必要。自宅にネット環境がない人はコンビニやショッピングモールなどに行ってWiFiにつなぐ必要がありますね。30分ほどでつながるようになるとのことだが、20分ほどだったか。

 スマホにはauメールや+メッセージなどauでしか使えないアプリが入っている。キャリアメールは使わず、Gmailに一本化した。SMSはGoogleのメッセージアプリを使うことにした。Facebookなど2段階認証にSMSを使うサイトがあるので、これは必要。ま、Facebookのメッセージアプリでもいいんですけどね。
UQ mobileのアプリ

 UQ mobileのメリットは余ったデータ量を翌月に繰り越せることと、節約モードが使えることだ。3GBプランの場合はアプリで節約モードに設定すると、300kbpsでつながる。この分はデータ消費にカウントされない。300kbpsは動画を見るには苦しいが、メールの受信やRadikoでラジオを聴くには十分。Radikoのデータは64kbpsなのだそうだ。僕の使い方だと、WiFiにつないでいる自宅はもちろん、外出先でもほぼ節約モードだけでやっていける。

 僕がインターネットを始めた20年以上前、モデムの速度は33.6kbpsとか56kbpsだった。ISDNの128kbpsになって「すごく速い」と思ったものだ。ISDNは速いのではなくて、速度が安定していた。33.6とか56kbpsはあくまでベストエフォートで実際にはずっと遅かったように思う。というようなネット時代初期を考えれば、300kbpsはかなり速いのだ。

 auの頃は自宅でも部屋を移動するとWiFiが途切れることがあるらしく、データ消費量がゼロになった日はなかった。節約モードに設定しておくとゼロになりそうだ。今月は月末まであと10日しかないから、来月に2GB以上繰り越せるだろう。3GBプランの場合、繰り越せるデータ量も最大3GBなので、2カ月後には6GBが使えるようになっているはず。

 Y!モバイルとどちらにするか迷ったが、節約モードとデータ繰り越し可能なプランであることでUQ mobileの方が自分にはメリットが大きいと思える。

2021/01/17(日)前後2カメラのドラレコ設置

 スバルのレヴォーグが納車された。昨年9月初めの契約から4カ月余り。一時は年末に納車できるかもと言われたが、結局、当初の予定通りの時期となった。年末年始を挟むとこうなりますね。

 昨年12月に試乗した時は時間が短かったこともあって気づかなかったが、CVTのいわゆるラバーバンドフィール(エンジンの回転数の上昇と加速にタイムラグがあること)はやはり感じる。スバルのリニアトロニックはチェーンを使っているそうだが、このフィールを完全になくすのは難しいようだ。もっとも、前に乗っていたゴルフ7のDSGはカックン加速というか、意図しない急加速をすることがあった。DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が必ずしも良いとは言えず、近年は多段化が進んだことによってトルコンATが見直されているそうだ。スバルも8段ATが欲しいところだが、今後、電動化が進むことを考えると、ガソリン車のトランスミッションの開発はしないだろう。

 新車になったのでドライブレコーダーを前後2カメラのものに変えた。再生ソフトが気に入っていたので今回もJVCケンウッド製にした。機種はDRV-MR450。価格.comによると、2万円前後だ。ホームセンターで配線止め(ケーブルクリップ)を買って取り付けたが、なぜか後ろのカメラを認識しない。差し込み方が悪いのかと思い、差し直して電源を入れ直したがダメ。しばらく悩んだ後、説明書を読んだら、前後の配線が逆だった。前後のカメラをつなぐケーブルは先端がL字型とストレート型になっていて、L字型を前のカメラにつながなくてはいけないのだった。つなぎ直したらすぐに認識した。

 このケーブル、長さが8メートルもあって、かなり余った。レヴォーグはワゴンといっても前後カメラの間は直線で3メートルもない。ケーブルは天井近くからフロアマットの下を通してフロントガラスの上の方まで配線できる長さが必要だが、8メートルもいらない。7メートルでも余裕がありそうだ。軽自動車の場合はもっと短くて良いだろう。ただ、リアウィンドウの開き方は一般的な跳ね上げ式のほか、横開きのタイプもある。ケーブルの長さには余裕を持たせないとまずいのだろう。

 レヴォーグの、というか、スバルのアイサイト装着車はフロントガラスのアイサイトカメラの近くには何も貼ってはいけない。だからドラレコのカメラも「フロントウィンドウのはしの方」に設置した。中央に設置した場合に比べて動画の画角が少し歪むが、まあ仕方ないでしょう。

 ケーブルクリップはリアウィンドウの開閉でケーブルが動くので、クリップ部分が固定型ではなく、丸くて隙間に余裕があるタイプの方が良いですね。