住宅の窓などの開口部から熱が逃げる割合は多く、以前読んだ日経電子版の記事によると、「冬に暖房の熱が逃げる割合は58%、夏の冷房中に入ってくる割合は73%にも及びます。暑さの原因の7割、寒さの原因の6割が窓とみなせます」(2014年11月7日付、「低い断熱性なぜ放置、世界に遅れる『窓』後進国ニッポン」)という。
アルミサッシの断熱性能は最低で、日本の窓の断熱基準というのは海外に比べて大きく遅れているそうだ。福岡市東区にいる長男のアパート(築3年ぐらい)は空港が近いので防音効果を考慮したためか、複層ガラスの樹脂サッシが採用されていて感心した。断熱のためには複層ガラスが最も望ましい。
それは分かっているのだが、既にあるサッシを複層ガラスの樹脂サッシに替えるには一つの窓だけで十数万円はかかる。家の全部の窓を替えると、100万円は下らないだろう。内窓を付けた方が安く済ませられるが、それでも一つの窓に数万円は必要だ。手軽にできる方法として昨年は居間の窓の内側にある障子を太鼓張りにしてみた。
太鼓張りは障子の片面だけではなく、両面に障子紙を貼る方法。作業が大変な割にはあまり効果を感じられなかった。障子を開けると、やっぱり窓が少し結露している。木造住宅なので鉄筋コンクリートのように湿気はこもらず、窓ガラスに水滴がびっしりなんてことはない。それでも少し結露があるということは断熱がうまくいっていないということだろう。
なぜか。引き違いの障子と障子の間に隙間があるためらしい。すき間テープを貼ると、太鼓張りにしなくても断熱効果がアップするそうだ。というわけで今日、すき間テープを買って貼ってみた。確かに障子の縁と縁の間が密着して良い感じだ。今回、窓の断熱について調べて知ったが、障子の断熱効果は厚手のカーテンよりも高いそうだ。ただ、内側に障子のある窓なんて少ない(うちは4つ)から、この方法に汎用性はあまりない。
今年はプチプチを使ってみることにした。窓断熱用のプチプチはホームセンターなどで販売している。僕はamazonで窓 断熱 防寒 シート 三層構造 プチプチ 幅1200mm×42M巻きを買った。何も考えずに注文して届いたのを見たら、ものすごく大きい。42メートルなんてまず使いきりません。
プチプチをガラスの大きさに合わせて切り、両面テープを使って貼っていく。僕の狭い部屋の窓はハンドルをくるくる回して開けるオーニング窓。3枚あるガラスに1枚ずつ貼るのは面倒だったので、内側にある網戸全体に貼った。これだと窓を開けても換気ができないが、冬の間は開けることはないのでいいでしょう。
断熱効果は確かにあるようだ。窓からの冷気を感じなくなったし、結露もしない。プチプチ自体の空気の層に加えて、ガラスと網戸の間にも空気の層ができるので、複層ガラスに似た効果があるのだろう。内側に網戸がある場合はこの方法が良いかもです。
結局、家の北側と東側の7つの窓にプチプチを貼った。外から見ると、見栄えが良くないが、内側からは磨りガラスのように見えて悪くはない。南側の窓は日光を遮るのが嫌だし、外が見えないと、圧迫感があるので貼っていない。大きな窓は南側の方に多いので、こっちを何とかしないと家全体の断熱にはつながらないのが悩ましいところだ。透明の断熱カーテンなどはいいかなと思えるが、amazonのレビューを読むと、断熱効果はあるものの、カーテンに結露する場合があるそうだ。
プチプチを貼った窓も結露するというレビューがある。そういう場合は断熱と同時に湿気対策をした方が良いと思う。YKKやLIXILなどのホームページには内窓でも結露する場合があり、本当に防ぐためには湿気をこもらせないように換気をすることが必要-と書いてある。
プチプチで気をつけないといけないのは金属線の入ったガラス窓(網入り板ガラス)には貼れないこと。「割れる場合がある」と注意書きがある。単身赴任中の家内はホームセンターでプチプチを買ったが、注意書きを見て愕然としたそうだ。アパートのほとんどの窓は金属線入りの磨りガラスなのだった。この場合はガラスに直接貼らずに窓枠全体を覆うように貼ればいいのではないか。