2011/04/30(土)「ヴィクトリア女王 世紀の愛」
若き日のヴィクトリア女王とアルバート公を描く。僕にはほとんど興味を持てない題材、ということはよく分かった。なにが世紀の愛なんだか。原題はThe Young Victoria。ヴィクトリアを演じるのは「プラダを着た悪魔」のエミリー・ブラント、監督はジャン=マルク・ヴァレー。アカデミー衣装デザイン賞を受賞した。これは納得。
2011/04/26(火)「あなたは私の婿になる」
サンドラ・ブロック主演のラブコメで、録画しても見る気が起きなかったのだが、見てみたらそれなりに良く出来ていた。
労働ビザが切れて国外退去を命じられた雑誌の編集長マーガレット(ブロック)が部下のアンドリュー(ライアン・レイノルズ)と偽装結婚をすることで退去を免れようとする。最初は反発し合うが、週末にアンドリューの故郷であるアラスカのシトカに行き、その人の良い家族に触れてマーガレットには次第に本物の恋心が芽生え始める、というお決まりの展開。両親が死んで16歳から一人で暮らし、職場では魔女と呼ばれているマーガレットが変わっていく過程を監督のアン・フレッチャーはそつなくまとめている。
ただ、40代半ばのブロックにこうした役柄は少し似合わないという思いはどうしても残る。原題はThe Proposal。これも邦題が良くない。
2011/04/26(火)「しあわせの隠れ場所」
「あれは何かを心に決めた時の顔だ」。寒空に半袖のポロシャツで歩いている黒人の大柄な高校生ビッグ・マイクに駆け寄ったリー・アン・チューイは夫の乗る車の方を振り返る。その時に夫のショーンが息子のSJに言うセリフ。そして夫妻はビッグ・マイクを連れ帰り、家に住まわせることになる。ファーストフードのチェーン店を経営する夫妻の住む家は豪邸だ。やがてビッグ・マイクことマイケル・オアーは高校でフットボールに頭角を現すようになる。
貧しい黒人を一人だけ助けることが何になるのか、なんて思いが一瞬、頭をかすめるのだが、映画はサンドラ・ブロックの奇跡的な好演によって説得力を持っている。強い意志を持ち、人が良くて優しい母親であり、女性としての魅力にもあふれるリー・アンをブロックはデビュー以来最高の演技で演じきっている。アカデミー主演女優賞にも納得だ。これはアメリカが理想とする女性像だろう。ブロックはつまらない上に、もはやふさわしくもないラブコメに出るよりもこういう役柄の方がピッタリくる。
何よりもこれが実話であることに驚く。アイケル・オアーはミシシッピー大からNFLのボルチモア・レイブンズに1位指名され、活躍中の選手だという。原題のThe Blind Sideは「右利きのクォーターバックにとってパスを投げる際に死角となる左側のサイドのこと」。もちろん、これはマイケル・オアーの見えない部分をも意味するダブルミーニングだろう。それを「隠れ場所」と訳すのは少し苦しい。何かうまい邦題をつけたかったところだ。アメリカの明るい側面を描いたハッピーな傑作と思う。監督はジョン・リー・ハンコック。
2011/04/23(土)「50歳の恋愛白書」
50歳の女性のラブストーリーと思わせるこの邦題は良くない。原題はThe Private Lives of Pippa Lee。レベッカ・ミラーが自作の小説を脚本化し、監督も務めている。
老人だらけのコネチカット州に夫とともに引っ越してきた主婦ピッパ・リー。夫はぼけの初期症状が始まっており、自分は夢遊病。先行きの見えた人生の中でピッパはこれまでの生き方を振り返る。ロビン・ライト・ペン主演。取り立てて優れているわけではないが、しっかり作った女性映画という感じ。
2011/04/23(土)「しあわせの雨傘」
フランソワ・オゾン監督。中高年女性向けの映画。飾り壺(原題のPotiche)と呼ばれていた主婦(カトリーヌ・ドヌーブ)が夫の病気をきっかけに夫の代わりに雨傘工場の社長を務め、自立していく。
退屈せずに見たが、男の立場からすると、別にどうということもない映画。ドヌーブと相手役のジェラール・ドパルデューを見ていると、太るにもほどがある、と思えてくる。特にドパルデュー。映画に出るのなら、もう少し体型に気を遣ってはどうか。フランスは役者の体型に甘いのか。主演の2人があと20歳ほど若ければ、説得力があったかもしれない。