2003/04/26(土)「ゴースト・オブ・マーズ」

 「火星のゾンビ」あるいは「エスケープ・フロム・マーズ」というタイトルでも良さそうな映画である。IMDBを見ると、10点満点で4.7点という最低の評価。僕はまずまず面白かった。火星が舞台でもSFではなく、ゾンビ化した人間たちからどう逃げるかを中心にしたサスペンス・アクションである。「要塞警察」や「ニューヨーク1997」などジョン・カーペンターの過去の作品に通じるものがあり、まあカーペンターらしいなと思える出来だ。火星の生物にもっとSFXを使い、SF的な展開が加わると、一般受けするような映画になったと思う。

 テラフォーミングが80%進んだ火星には60万人以上の人間が移住しているという設定。凶悪犯を護送するため、警察の一行がある炭坑町に向かう。街には人影がない。屋内に入ると、多数の人間が首を切断されて惨殺されていた。逃げてきた女性科学者の話によると、地下の洞窟から赤い風のような生物が出てきて、人間に乗り移り、人間がゾンビ化したのだという。ゾンビを殺すと、その生物はまた別の人間に寄生する。建物に立てこもった警官と凶悪犯たちは、大量のゾンビ軍団を相手に必死の逃亡を試みる。

 うーん、この話だと、別に火星が舞台でなくてもよいような気がする。主演のナターシャ・ヘンストリッジ(「スピーシーズ」)は悪くはないが、同じような役柄の「バイオハザード」ミラ・ジョヴォヴィッチほどの魅力はない。ほかにアイス・キューブ、パム・グリアー(ほとんどゲスト的な扱い)、ジェイソン・ステイサム(「スナッチ」)など。役者に金を使っていないのは予算が少なかったためか。

 特典映像に映っているカーペンターを見て、年取ったなという思いを強くした。