2016/12/25(日)今年行ったふるさと納税5件
ふるさと納税を初めて行ったのが今年7月。岩手県陸前高田市に寄付して返礼品に天然ハチミツを頂いた。というか、天然ハチミツをもらうためにふるさと納税したというのが正しい。返礼品目当てであっても寄付に慣れるのは悪いことではないと思う。糸魚川市の大火の後、同市に対するふるさと納税が急増したそうだ。寄付5件まではワンストップ特例で確定申告が不要になったのが大きい。例えば、国境なき医師団やユニセフ、Wikipediaなどに寄付する際もワンストップ特例が使えると、寄付は増えるのではないかと思う。逆に言うと、ワンストップは確定申告しない人向けなので、確定申告が不要な自治体以外の一般の寄付は減ってしまう心配もある。
5件の枠を使い切るために先月から今月にかけて4件のふるさと納税をした。宮崎県都城市、埼玉県蓮田市、佐賀県基山町、鹿児島県いちき串木野市の4自治体。それぞれ、普段飲む焼酎、正月用の日本酒、普段飲むビール、正月用のハム&ソーセージ詰め合わせ&薩摩揚げ詰め合わせが返礼品だ。肉やカニには興味がない(こともないが)ので、こういうことになる。普段消費するものをもらった方がお得感があるのだ。
それを最も感じたのは佐賀県基山町のビール。3万円の寄付で350mlのヱビスビール24缶とプレミアムモルツ24缶の返礼品が届く。自己負担は2000円なのでビール1缶42円ほどで購入したのと同じだ。6万円寄付すると、96缶届くので1缶21円の計算。店で買うのがバカバカしくなるほどお得だ。写真はいちき串木野市の返礼品の手作りハム&ソーセージ詰め合わせで、手造りハム工房蔵という会社の商品。合成保存料も着色料も使っていないのが好ましい。真空パックなので、保存料がなくても賞味期限は1カ月ほどある。
申し込みはすべてふるさとチョイスから行った。自治体によって、ふるさと納税に慣れた(仕組みが整備された)ところと慣れていないところがあるなあ、というのが実感。ふるさと納税日本一の都城市と、いちき串木野市はワンストップ申請に必要な住所等を記入した書類と切手不要の返信用封筒まで送ってきた。都城市はふるさと納税の作業のために数十人の臨時職員を採用しているそうだ。ふるさと納税は雇用の場も生んでいるわけだ。
半面、ふるさと納税を利用する人が多い自治体からは本来入るはずだった住民税が流出する。都城市は昨年度、約42億円の寄付金を集めたが、他の自治体からはその分だけ住民税が減ったことになる。住民税を減らさないためには、流出した分をふるさと納税で取り戻す必要があるだろう。自治体間の競争が生じるわけで、その意味でふるさと納税は自治体にとってゼロサムゲームにほかならない。今年は去年以上にこの差が広がっただろう。
制度自体の弊害を指摘する声もあるので、この制度がいつまで続くか分からない。しかし、続いている以上は利用した方が納税者にメリットが大きいことは間違いない。