2005/11/12(土)「ステップフォード・ワイフ」

 アイラ・レヴィン原作で1975年のキャサリン・ロス主演作のリメイク。世間的にはほとんど評価がない(IMDBではこれより旧作の方が評価は高い)ようだが、僕はこの映画のコメディ感覚が嫌いではない。ラストの理に落ちた感じはちょっと余計なのだが、ベット・ミドラーがおかしいし、風刺や皮肉もある。まあ、残念なことに優しくて控えめで美しいステップフォードの妻たちより、強いニコール・キッドマンの方が魅力的なのである。

 1950年代風のタイトルバックで始まって、1950年代風のステップフォードという架空の街で話は進む。ベトナム戦争もなく、ウーマンリブもなかった1950年代がアメリカの理想的な時代なのだ、という設定にしておいて、それを揶揄する感じもある(ベット・ミドラーは「独立記念日なのにここには黒人もアジア系もいない」と言う)。この脚本はその揶揄に完全に成功しているわけではなく、決してうまくはないのだが、とりあえず、クスクス笑って気楽に見られる作品になっていると思う。

 監督は「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」のというより、ヨーダの声をやっているフランク・オズ。好きな監督なので、もっと映画を撮ってほしいと思う。