2001/01/17(水)「レッド プラネット」
カール・セーガンの火星地球化計画をベースにしたSF映画。地球が汚染され尽くしたため、人類は火星に藻類を送り、酸素を作り出そうとする。その調査に出かけた宇宙船の乗組員が次々に危機にさらされる。昨年の「ミッション・トゥ・マーズ」に続いて火星を舞台にしている。いつものことながら、リアルな宇宙の描写は好ましいのだけれど、SF的アイデアの発展はこれまたいつものことながらない。
火星軌道上で太陽風の直撃を受けて宇宙船が機能停止、船長(キャリー・アン・モス)を除く乗組員が火星に脱出する。しかし、火星にあるはずの基地は破壊されていた。酸素がなくなる、連れてきたロボットが異常を起こして襲ってくるという危機をどう乗り越えるかが描かれる。あっと驚くような展開をアメリカのSF映画に期待するのはもう無理なのか。リアルの延長で話が地味だ。脚本にアイデアが足りない。
監督のアントニー・ホフマンはCMディレクター出身。いちおうの絵づくりはできるけれど、それだけのこと。こういう監督を起用するのはちょっと考えものだ。場面自体は良くても演出にメリハリがない。「スペース カウボーイ」のイーストウッド演出を少しは見習ってほしい。
キャリー・アン・モスは相変わらず美しくて良い。ただし、宇宙船にいたままなので、あまり活躍の場がないのは残念。