メッセージ

2001年09月22日の記事

2001/09/22(土)「仮面ライダーアギト PROJECT G4」

 無数のアンノウンが超能力研究所を襲う。超能力を持つ沙綾香とレイは難を逃れるが、離ればなれになってしまう。数週間後、警視庁G3ユニットの小沢澄子(藤田瞳子)のもとに自衛隊から深海理沙(小沢真珠)が派遣される。理沙の狙いは澄子が開発途中でやめたG4の研究を盗むことだった。理沙は翌日、一方的に辞めてしまう。2カ月後、流行を始めた携帯サイト「ESPクイズ」が呼び水となり、ふたたびアンノウンの群れは蠢動を始める。アンノウンは超能力者に感応して現れるらしい。津上翔一=アギト(賀集利樹)と氷川誠=G3(要潤)がアンノウンと戦っているところにG4も現れ、圧倒的な強さを見せつける。しかし、G4には弱点があった。それを装着する人間の命をやがて奪ってしまうのだ。理沙はG4のパワーを高めるため、超

能力者を利用しようとしていた。そして理沙は翔一と暮らす予知能力者・風谷真魚(秋山莉奈)を誘拐する。アギトとG3はアンノウンの襲撃に迎え撃ちながら、真魚の救出に向かう。

 と、プロットを書くと、何が焦点だか分かりにくいが、このシリーズ、人間を超えてしまったものの悲哀が根底にあるようだ。パンフレットにある田崎竜太監督の3人のライダーに関する説明が非常に分かり易い。

力を得る=一つの戻れない境界線を越えてしまうこと。3人はその境界線に対してそれぞれ違うポジションにあって、いつの間にか越えちゃってるの

がアギト。越えたくないのに越えちゃったのがギルス。越えようとしてもがいてるんだけど、絶対に越えられないのがG3。

 アギトがどういう存在なのか、まだテレビシリーズでも明らかにはされていないらしいけれど、位置づけとしては改造人間である従来の仮面ライダーとそう大きくは変わらないだろう。変身することで自分の体を傷めるギルスの風貌は仮面ライダーアマゾンみたいな感じだが、超能力者の悲哀を最も感じさせるキャラクター。G3-Xは単純にパワードスーツ(強化防護服)である。警視庁に所属しているところを見ると、G3の元ネタはロボコップなのだろう。もっともロボコップも元ネタは日本のテレビシリーズなわけですが(「宇宙刑事シャリバン」だったか)。

 今回の映画は死を厭わないG4の悲哀をもっと重点的に描く必要があったように思う。その悲哀はアギト、ギルス、G3-Xにも共通してくるものなのである。上映時間が短いこともあって、プロットをなぞっただけの印象に終わっている。設定は面白いのに、惜しい。

 といっても、僕もテレビシリーズは一度しか見ていないので物語の背景はよく知らない。アギトのホームページであらすじを読んだ程度。見たことがない人は読んでおいた方が、映画はより楽しめるかもしれない。