メッセージ

2001年11月13日の記事

2001/11/13(火)「ブロウ」

 アメリカにコカインを広めた密売ディーラーを描く実話。フランカ・ポテンテ(「ラン・ローラ・ラン」)のハリウッド・デビュー作ともなった(「ラン・ローラ・ラン」の時より美人なので驚いたが、前半で消える)。

 小さな会社を経営する実直な父親(レイ・リオッタ)と金への執着が強い母親(レイチェル・グリフィス)との争いに嫌気が差した一人息子のジョージ・ユング(ジョニー・デップ)は1960年代末に家を飛び出し、カリフォルニアへ行く。そこでマリファナを密売。メキシコで直接マリファナを買い付け、密輸して大金を得るが、やがて発覚し逮捕される。刑務所に服役中、コロンビア人と知り合い、出所後はコカインの密輸に手を出す。メディジン・カルテルのボス、パブロ・エスコバルの信頼も得て巨万の富を築き、知り合いの婚約者マーサ(ペネロペ・クルス)を横取りして結婚。一人娘のクリスティーナを溺愛する。しかし、幸福は長くは続かなかった。

 ブルース・ポーターの原作がどうなっているか知らないが、デヴィッド・マッケンナの脚本はユングの人生を家庭の幸福の観点から構築している。諍いを続けた両親と同じようにユングとマーサも金をめぐって争うようになるのは皮肉。テッド・デミの演出に際だったところは見られないけれど、手堅くまとめている。ジョニー・デップも相変わらずうまい。なお、ユングは2015年まで服役するという。

2001/11/13(火)「エボリューション」

 アイバン・ライトマン監督が「ゴーストバスターズ」のノリで作ったエイリアン撃退コメディ。「ゴーストバスターズ」よりも弱いのは出演者にクセがないからか。主演のデヴィッド・ドゥカブニーにコメディができないのがダメだし、転んでばかりいるジュリアン・ムーアはまだしも、短大で地質学を教えるオーランド・ジョーンズと消防士志望のショーン・ウィリアム・スコットにもう少し存在感がほしいところ。ビル・マーレー、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミスと芸達者がそろっていた「ゴーストバスターズ」にはかなうわけない。

 さまざまな宇宙生物を見せるSFXはフィル・ティペットが担当し、水準的。白眉はショッピング・センターを飛び回る(ラドンやプテラノドンを思わせる)翼手竜のような生物。いや、これをもっと見たかった。クライマックスに登場する巨大生物にはアイデアが足りないと思う。しかも下品。登場人物が○○まみれになるのは、これまたマシュマロマンの泡をかぶった「ゴーストバスターズ」と同じ趣向だけれど、今回は汚いです。いくら前半に伏線があるとはいってもちょっとね。