メッセージ

2002年08月01日の記事

2002/08/01(木)「SPY_N」

 ただただ地上172メートルでの藤原紀香のアクションシーンを見るためだけの映画で、それ以外にはあまり見るべき部分もない。しかもそこまで延々と待たされる。ボンデージスーツに身を固めた藤原紀香のそこまでのアクションは、まあフツーの出来なのだが、美形とスタイルの良さから繰り出すアクションは魅力的で、「チャーリーズ・エンジェル」みたいな作品に出るといいと思う。撮り方が下手、演出が下手、脚本もデタラメな映画だが、藤原紀香からアクションを引き出したことだけは功績と言える。

 マーク・ダカスコスやアーロン・クオックらのアクションスターがそろい、アクション場面は満載なのだが、冒頭からキレが悪すぎる。ランボルギーニとF1のカーチェイスとか、面白くなりそうなのに、今ひとつ盛り上がりに欠けるのは、演出力のなさが原因だろう。いろいろなアクションがあるが、このカーチェイス以外に独自性のあるもの、目新しいものは見当たらない。

 監督のスタンリー・トンは「ポリス・ストーリー3」や「レッド・ブロンクス」でジャッキー・チェンと組んだ人。今回は見る影もない。これだけの俳優を集め、アクションを詰め込んで、これぐらいの出来にしかならないようでは監督としての才能はないのだろう。

 藤原紀香はアクション場面は及第点でも普通の演技に少し難がある。細かい修正をしてアクション映画に主演で出てほしいものだ。