2002/09/18(水)「バイオハザード」
人気ゲームの映画化。といってもストーリーは映画のオリジナルという。地下にある研究所“ハイブ”でウィルスが拡散し、マザー・コンピューターのレッド・クイーンの防御装置が作動。研究員ら500人が全員死亡する。主人公のアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は一時的に記憶をなくしており、わけが分からないまま特殊部隊とともにコンピューターを止めようと、ハイブに向かう。クイーンの武器で隊員の半数以上は死ぬが(このレーザー型の殺人兵器の場面がなかなかよくできている)、アリスら数人はなんとかコンピューターの停止に成功。しかし、その途端、ウィルスによってゾンビ化した人間たちが襲ってくる。
ゾンビ映画というのも久しぶりに見たが、もうこのパターンは描かれ尽くしているので、この映画にも新機軸は見当たらない。頭にダメージを与えれば、ゾンビを仕留められるというのはこれまでと同様だし、咬まれると感染するのも同じ。いつこどこかで見た光景ばかりである。ポール・アンダーソン監督の演出も荒っぽく、ショック演出ばかりが目につく。しかし、ミラ・ジョヴォヴィッチの魅力が映画に輝きを与えた。セクシーでアクションもこなすカッコ良さ。もともと気が強そうな顔つきだが、襲い来るゾンビ軍団を撃退して地上へ脱出するリーダー的存在として説得力がある。ミラがいなければ、映画はどうしようもない出来になるところだった。ミラ主演で2作目が計画されているとのこと。次作でもミラの魅力を堪能させてくれる映画に仕上げてほしいところだ。
2002/09/18(水)「エリン・ブロコビッチ」
1993年にアメリカで史上最大級の賠償金を勝ち取った裁判の中心となったエリン・ブロコビッチを描いた実話。美人だが、無学で生活力もないエリン(ジュリア・ロバーツ)が法律事務所に無理矢理勤務して、大企業(PG&E社)が垂れ流している公害(六価クロム)を知る。工場周辺の住民はガンなどの深刻な病に冒されているが、工場側は安全だと言い張っている。エリンのほんの小さな疑問が発展し、634人の原告が集まる大裁判となる。小さな法律事務所の弁護士エド(アルバート・フィニー)とエリンは協力して大企業の不正を暴いていく。
社会派の題材ながら、スティーブン・ソダーバーグの演出はエリンの人となりを十分に描き込み、普通の女性が大企業に勝っていく過程をメインにしている。これが面白いところ。怒りや正義感を前面に押し出さない映画化で、社会派というと生真面目になりすぎる日本映画は学びたいものだ。ロバーツとフィニーのやりとりはおかしく、それでいて押さえるべきところはちゃんと押さえてある。エリンのサクセス・ストーリーの側面もあり、ちょっと長いが面白かった。
実際のエリン・ブロコビッチは生活感の漂うオバサンという感じ。1960年生まれだそうだ。映画にウエイトレス役で出演しているとのことだが、僕には分からなかった。PG&E社はPacific Gas and Electric Companyと言うんですね。