2011/09/17(土)ELECOM TK-FBP017BK

 SPPで接続するAndroid携帯用のBluetoothキーボード。楽天のショップに注文したのが昨日届いた。Android用のBluetoothキーボードは今のところこれしか選択肢がない。出張の時にはいつもノートパソコンを持っていくが、1.5キロぐらいあって、移動の際に重くて仕方がない。これがあれば、スマホ(IS03)だけですむ、と思ったのだ。

 AndroidマーケットからEleWnnとElecomBtAssistantをインストール(ELECOMのサイトにリンクがある)。スイッチをSPPにしてスマホとペアリングする。ペアリングは簡単にできたが、なぜか入力ができない。あれれ、と思っていろいろやってみたが、ダメ。何度も設定を繰り返しているうちに入力できるようになった。うーん、何が悪かったんだろう。

 EleWnnの変換精度はあまり評判がよろしくないが、まあ、常時使うわけではなく、会議のメモに使うぐらいだからそんなにストレスはない。ただ、キー操作には少し慣れが必要だ。キーの間隔はノートパソコン並みなのだが、慣れないと隣のキーとの打ち間違いが多くなる。キーボードに少し傾斜も欲しいところだ。変換は補足マニュアルには「スペースキーではできない」と書いてあるが、できるようになっている(現在のバージョンは1.1.2)。スクリーンキーボードで打つよりやっぱり入力は速い。

 いろいろ試した結果、エディタにはEvernoteを使うと便利であることを実感。他のエディタを使ってDropboxでパソコンと同期してもいいのだが、Evernoteの方が手間はかからない。

 パソコンともペアリングしてみた。接続はHIDなので入力にいつも使っているATOKが使えてストレスがない。Android携帯もHIDに対応してほしいものだ。

2011/09/14(水)WiMAX

 先週、BBIQからWiMAXモバイルルーターのURoad-9000が届いた。自宅では予想通り、圏外ぎりぎりで電波が弱い。アンテナが1本も立っていない。と思ったが、計測してみたら、640kbpsは出ている。一昔前のネットスピードであるにしても、まあ、我慢できる。なんせ、アナログ回線のころは33.6kbpsだったわけですしね。その後、ADSLにしたころがちょうどこれぐらいの速度だった。自宅でも場所を変えてみると、2~3Mbps以上は出るのが分かった。これぐらい出れば、十分か。ちなみに自宅はWiMAXのピンポイントエリア判定で△のところにある。

 出張先の東京の月島で計測したら、2.4Mbps。夜になって再度計測したら、800kbpsほどだった。どうも速度に波があるようだ。宮崎市内の会社ではスマホで2~3Mbps、iPadで5Mbpsほど。会社は「△~○」の地区にある。一般的にパソコンの方がスマホより高い数値が出るようで、これは処理能力の違いが影響しているのだろう。

 URoad-9000にはUSB充電ケーブルと充電器が付属しているのが良い。出先ではパソコンに接続して充電しながら使える。(パソコンのバッテリー消費量は増える)。しかもミニUSBなのでこのケーブルを使えば、スマホも充電できる。

 WiMAXに変えて何が良かったといって、パソコンがフリーズすることがなくなったこと。僕のノートパソコン、ドコモのFOMA接続ソフトと相性が悪かったらしく、テキストファイルの作成途中でフリーズしてしまい、内容を失ったことがたびたびあった。これがなくなっただけでもありがたい。あとはWiMAXが使える範囲が拡大してくれれば言うことはない。

2011/09/12(月)ドラマの質

 「下町ロケット」第4話もとても面白かった。大企業の横暴とそれへの反撃、そして不当な裁判が決着したかと思ったら、またしてもラストで大きな困難が待ち構えていた。視聴者の次回を見たいという欲求を否が応でも高めるこの作りはクリフハンガーみたいにうまい。WOWOWがこんなにレベルの高いドラマを生み出すとは驚きだ。いや、3月に傑作ぞろいの「横山秀夫サスペンス」4話を見ているのだが、「下町ロケット」はそれよりも数段レベルが高いのだ。脇の人物に至るまでキャラが立ちまくりなのが素晴らしい。

 WOWOWは今年で開局20年。今月号のプログラムガイドと一緒に送られてきたパンフによると、WOWOWがドラマWの製作を始めたのは2003年で、第1作は川上弘美原作の「センセイの鞄」(文化庁芸術祭テレビの部ドラマ部門最優秀賞)だった。連続ドラマWは2008年の「パンドラ」が最初だから、ドラマに関して長い歴史があるわけではない。

 ただし、1992年に始まったJ・MOVIE WARSがその萌芽と言えるかもしれない。崔洋一「月はどっちに出ている」(キネ旬ベストテン1位)なども生んだこの企画は主に放送ソフトの充実の意味があったのだと思う。WOWOWの柱である映画はレンタルもできるし、スターチャンネルなど他の放送局で見ることもできる。不完全とはいえ、地上波なら無料で見られる。独自のコンテンツと呼べるものがないと、加入契約を伸ばすことは難しいという判断があったのだろう。最初は単発のドラマだったが、連続ドラマの方が視聴者の関心を長く保つことができるのは当然で、連続ドラマの製作を始めたことは理にかなっている。

 加入者の視聴料で成り立つWOWOWは民放のようにスポンサーの顔色をうかがう必要がない。加入者の満足度のみ考えればいいわけで、ドラマの出来不出来は加入契約の伸びに影響を及ぼすだろう。映画監督を使った質の高いドラマ作りの背景にはそんなところも影響しているのに違いない。地上波のように1クールに決まっているわけでもないのだから、製作する側にとっても有利なのではないか。

 「センセイの鞄」以降、賞を取ったドラマは「祖国」(2005年)「パンドラ」(2008年)「空飛ぶタイヤ」(2009年)「なぜ君は絶望と闘えたのか」(2010年)。「下町ロケット」も何らかの賞を取るのは確実に思える。

2011/09/11(日)連続ドラマW「下町ロケット」

 WOWOWで放送中のドラマ。録画しておいた第3話までを一気に見た。もう第1話を見た時に嗚咽が漏れまくり、2話目を見た後に本屋へ走って池井戸潤の原作を買う羽目になった。直木賞受賞など僕には何の意味もないが、これほどの内容とは思わなかった。第3話も期待通りの出来。これ、今年屈指の傑作ドラマと断言する。いや、テレビドラマはほとんど見ないので僕の断言など信用がならないのだが、こんなに毎回毎回胸を熱く打ちまくってくれるドラマはそうそうないだろう。これ見るためだけにWOWOWに入ってもまったく損はない。

 話はまっすぐな心を持つ人間たちがねじ曲がった人間たちに打ち勝つ話とまとめてしまえるだろう。小さな町工場の意地とプライドと誇りをかけて、大企業の妨害に対していく姿勢がとても気持ちよい。社長になった今も夢を捨てない三上博史が久しぶりの大はまり役であるのをはじめとして、大手事務所のあくどさに耐えきれずに独立した弁護士の寺島しのぶ、国産ロケット打ち上げに熱意を燃やす渡部篤郎などなどがいずれも好演。まったく隙がない緊密なドラマである。第1話と第2話の監督は鈴木浩介、第3話は水谷俊之だった。今日が第4話。来週が最終回だ。もう楽しみ楽しみで仕方がない。

2011/09/10(土)「探偵はBARにいる」

 東直己のススキノ探偵シリーズの映画化。原作は「バーにかかってきた電話」だが、タイトルは第1作を使うというややこしいことになっている。タイトル前のシーンが長すぎて手際の悪さを感じさせ、不安を持ったが、謎解き部分がしっかりしており、至る所にあるユーモアも外れていず、探偵映画として悪くない作品に仕上がった。

 バーでぼこぼこに殴られた主人公の探偵(大泉洋)が包帯ぐるぐる巻きになったシーンを見て、「あ、カリオストロの城のルパンだ」と思った。包帯の巻き方がいかにもまねした感じなのだ。キネ旬9月下旬号の記事を読んだら、橋本一監督は「無意識的に『ルパン三世 カリオストロの城』の匂いも、いろんなところに出ちゃったかな、と(笑)。ええ、ポンコツ車で遊んだ演出も」と語っている。やっぱりそうか。探偵と相棒の高田(松田龍平)が乗るポンコツ車は光岡自動車のビュート(日産マーチを基にして作った車)。絵的にルパンと次元が乗るフィアット500のような味があるのだ。探偵自身のキャラも大泉洋が演じているだけあって、ユーモアのあるものだし、全体的に感じたルパン三世の匂いが僕には好ましかった。

 もっとも橋本監督はそれ以上に松田優作「最も危険な遊戯」(1978年)を意識したという。公開当時、アクション映画ファンを驚喜させた村川透監督のこの映画は日活アクションの香りを引きずっていた。それを参考にしたのだから、「探偵はBARにいる」もまたプログラムピクチャーと昭和の匂いを引きずることになる。年季の入った映画ファンならニヤリとするシーンが多いのである。「最も危険な遊戯」は同じ東映クラシックフィルム製作でテレビドラマ「探偵物語」(1979年)に発展したが、あの探偵を演じた松田優作とこの映画の大泉洋の立ち位置は同じようなところにある。

 主人公はタイトル前のナレーションで自分のことを「プライベート・アイ」(探偵)と名乗る。探偵がフィリップ・マーロウのようにバーでギムレットを頼んだってかまわないのだが、探偵=ハードボイルドではない。音楽も含めて、この映画にはハードボイルドの雰囲気に努めようとした節がある。そこはもう少し抑えた方が良かったと思う。日本映画でこの気取った雰囲気をやられると、基本的にパロディにしかならないのだ。

 そうした小さな傷はいっぱいあるにしても、好感の持てる作品であることは間違いなく、大作にせず、プログラムピクチャー的な味わいでこの映画は続編を作るべきだろう。脚本に手を抜かない限り、楽しませてくれるシリーズになるのではないかと思う。