2017/08/26(土)Netflix版「デスノート」
25日に配信開始されたので早速見た。夜神月(ライト)の役名はライト・ターナーとなり、演じるのは子役出身のナット・オフ。Lを演じるのがアフリカ系アメリカ人のラキース・スタンフィールドというのが意外なキャスティングだ。弥海砂(あまね・ミサ)→ミア・サットンはマーガレット・クアリー。死神リュークがウィレム・デフォーなのはエンド・クレジットで知った。
監督が「サプライズ」のアダム・ウィンガードなので少し期待もあったが、IMDbで評価5点という悲惨な結果(その後さらに下がっている→Death Note)。これは主演のナット・オフに魅力がないことと、原作と離れた後半の展開が弱いことが主な要因だ。トリックの説明に終始して、原作の7巻にあるような驚愕の展開にはなっていない(当たり前か)。スタンフィールドのLも松山ケンイチに負けている。スタンフィールドは「ショート・ターム」「グローリー 明日への行進」「ストレイト・アウタ・コンプトン」「スノーデン」など話題作に連続して出ているが、個人的には名前と顔が一致するほどの印象は持っていなかった。
1時間40分の上映時間で「デスノート」を描くのは難しい。1時間10話ぐらいのシリーズにした方が良かったのではないか。ウィンガードは「ゴジラ VS コング」(2020年公開)も監督予定だが、大丈夫なんだろうかと思えてくる。
2017/08/23(水)「哭声 コクソン」
ナ・ホンジン監督(「チェイサー」「哀しき獣」)のホラー映画。最近のホラーの中ではオリジナリティーがあって面白いが、2時間36分は少し長い。長くなった理由は終盤にツイスト、というか観客を翻弄するストーリー上の仕掛けがあるためだ。これはなくても本筋になんら影響は与えないのだが、あった方が話に膨らみは出る。監督は混沌や混乱、疑惑に巻き込まれる人間たちを描くことも狙いとしていたそうなので、ここは必要だったのだろう。amazonビデオで鑑賞。
哭声とは泣き叫ぶこと(英語タイトルはWailing)。舞台となる村も谷城(コクソン)という名前だ。全羅南道の北東部にある谷城郡はナ・ホンジン監督が幼児期に住んでいたところだそうだが、必ずしもそことは一致せず、名前を借りただけのようだ。
この村で家族を皆殺しにする凄惨な殺人事件が連続して起きる。犯人はいずれも全身に湿疹があり、白目をむき、まともな精神状態ではなかった。村人の間では最近村にやってきた日本人の男(國村隼)と関係があるのではないかとのうわさが流れ始める。この男は山中で鹿の死肉を食らう姿が目撃されていた。事件を捜査する警察官のジョング(クァク・ドウォン)は男の家に娘のヒョンジン(キム・ファンヒ)の靴があるのを見つける。やがてヒョンジンには犯人たちと同じ湿疹が出てきた。さらに異常な行動をし始めたヒョンジンを救うため、ジョングは祈祷師のイルグァン(ファン・ジョンミン)に悪霊払いを依頼する。
土着の悪霊からゾンビ、悪魔までさまざまな怪異の表現を取り入れているところが面白い。國村隼は正体不明な感じをうまく演じている上、ふんどし姿で山中を駆け回る怪演を見せ、韓国で男優助演賞を得た。起用した監督の期待に十分応えただろう。