2014/01/04(土)「LOOPER ルーパー」

 30年後の未来で死体を始末できない理由が説明されないし、生きている人間を過去に送るより、死体を送って処理だけさせた方が手間がかからないのではないかと思う。タイムトラベルものの常でラストの解決策では未来だけでなく、過去も変えてしまうのではないかとも思えるのだが、B級SFアクションとしてタイトな出来だ。

 タイムトラベルにもう一つのSFのアイデアを組み合わせたのがいい。これ、ちゃんと伏線も張ってある。よくあるCG満載な割に空疎な大作よりもよほど好感の持てる映画だと思う。

 エミリー・ブラントも相変わらずいいですね。

2013/12/29(日)今年のポートフォリオ

 今日現在のポートフォリオ。昨年の今頃に比べて、現金(定期預金)の比率が減り、リスク資産の比率が増えた。この結果、過去20年間のデータによる平均リターンは1.9%から2.4%に上がり、リスクも4.2%から5.2%に上がった。リターンが低いのは現金比率が多いからで、現金を除いたリターンは4.2%になる。ちなみに「わたしのインデックス」ユーザーの平均は6.1%。僕の場合はミドルリスク、ミドルリターンといったところか。

 日本株はけっこう売却したのに比率が上がっている。これはアベノミクスにより50%以上も株価が上昇したため。今年は新興国株の投資信託を意識的に増やしたが、上昇率は先進国株より劣った。アメリカ経済が好調なので来年も新興国株より先進国株が上がるだろうという見通しが一般的だ。NISA口座も先進国株(MSCIコクサイ)を中心に運用したいと思う。

2013/12/23(月)「永遠の0」

 染谷将太がこんなちょい役であるはずはないと思っていたら、終盤、みるみる大きな役になっていった。なるほど。やっぱり。

 百田尚樹の同名小説の映画化。日経のインタビューによれば、百田尚樹は映画化の話を何度も断ってきたそうだが、山崎貴監督の脚本は素晴らしく、映画化にゴーサインを出したという。映画の出来も「10年に一度の傑作」と思っているそうだ。僕は「10年に1本」の映画とは思わないが、よくできた映画であることには同意する。山崎貴監督は「ALWAYS 三丁目の夕日」と同じように過去を再現するために自然で過不足のないVFXを使い、ミステリータッチのドラマをうまく演出している。「ALWAYS」と同じように大衆性を備えて涙を絞る展開なので、これもまた大ヒットするだろう。

 映画は原作の狙いでもある「戦争を語り継ぐこと」と「かけがえのない命を大切にすること」というテーマをきちんと押さえ、「帝国海軍一の臆病者」「海軍の恥さらし」と言われた宮部久蔵(岡田准一)とはどんな人間だったのかを描き出していく。宮部の謎を探っていくのが孫の佐伯健太郎(三浦春馬)と慶子(吹石一恵)で、真珠湾からミッドウェーを経て、特攻隊で死ぬまでの4年間の宮部の足跡をたどる。宮部は人並み外れた操縦技術を持っていたが、愛する妻子のために必ず生きて帰ることを決意していた。そして若い兵士たちにも命を粗末にすることを許さなかった。

 岡田准一も好演しているが、何よりも田中泯や橋爪功、山本學、夏八木勲ら年配の俳優たちがいい。特にヤクザの組長を演じる田中泯。若い頃を演じる粗暴な新井浩文が年を取ると、こうなるという感じが出ている。

 山崎貴の専門分野であるVFXに関しては、それが必要以上に前面に出てこないのが良い。零戦の登場する戦闘シーンもそこだけが目立つわけではないのに、日本映画として水準以上の出来になっている。あくまでも映画の主眼はドラマにあり、それをわきまえた山崎貴は強いな、と思う。

2013/12/16(月)「ゼロ・グラビティ」

 最後まで見て初めて、グラビティ=重力という原題の意味が感慨深いものになる。邦題にある「ゼロ」はつくづく余計だと思う。配給会社はいったい何を考えておるのか。

 という些末なことはどうでもよい。映画は3Dの技術の高さに驚嘆させられるものの、それよりも決してあきらめない主人公を置いたことが成功の大きな要因になっていると思う。次から次に襲いかかる困難を一つ一つクリアしていく主人公。「宇宙からの脱出」を図るため、懸命に必死に知力と体力を駆使する姿が感動的だ。本当に人を引きつけるのは技術よりも物語なのだ。

 後半は一人芝居となるサンドラ・ブロックに「しあわせの隠れ場所」に続いて2度目のオスカーの呼び声があるのも納得だ。宇宙服を脱いで、宇宙船の中で奮闘する姿は「エイリアン」のシガニー・ウィーバーを彷彿させた。49歳なのに引き締まったスタイルの良さには感心させられる。女優は体を鍛えておかなくてはいけない。絶望的状況の中でもユーモアを忘れず、ブロックを鼓舞するジョージ・クルーニーも格好良くて好ましい演技だ。

 余計なものをそぎ落として緊張感とサスペンスが持続する91分。映画の中の時間と実時間が一致しているようにも思えるが、90分で地球を周回する宇宙のごみが2度襲来するので、映画は少しだけ時間が長いことになる。

2013/12/16(月)NISA口座での取引

 SBI証券がNISA口座でのお取引についてというページを開設した。NISA口座で株式や投資信託を購入する場合、「NISA預かり」を選べばいいだけとのこと。資金は従来通り、証券口座や住信SBIネット銀行のハイブリッド預金に入れておけばいい。これで譲渡益や配当が非課税になる。

 株式の受け渡しには3営業日かかるので、年内の注文(12月26日)からNISAを利用できる証券会社もあるそうだが、それについては明記していない。当日になれば、分かるだろうし、そんなに慌てることもない。