2009/07/05(日)「おもいでの夏」のナレーション

 「愛を読むひと」の前半は「おもいでの夏」と同じような展開だった。「おもいでの夏」はかなり好きな映画の1本で、僕は高校生の頃、雑誌「ロードショー」で最後のナレーションを読み、影響されて「人生は小さな出会いと別れからできている」という言葉を卒業文集に引用した。これは原文ではどう言っているのだろう。「愛を読むひと」を見て、長年気になっていたことを確認したくなり、DVDを買った。最後のナレーションは字幕(高瀬鎮夫訳)では以下のようになっている。

別れだった
その後は知らない
まだ少年が少年である時代だった
わたしには理解できなかった
人生のささやかな出会い
人はそれで何かを得て
同時に何かを失う
42年の夏 わたしたちは対空監視所を4回襲い
映画を5回
そして9日は雨だった
ベンジーの腕時計は壊れ
オスキーはハーモニカをやめ
そしてわたしは
幼いわたしを永遠に失った

 「人生のささやかな出会い」というのが「人生は小さな出会いと別れからできている」の意訳だろう。ここをよく聞いてみると、英語では「Life is made up of small comings and goings」と言っている。これを手がかりに最後のナレーションの原文を検索してみた。やっぱり好きな人はいるようで、inthe70s, The Seventies nostalgia siteというページのMovie Quotes of the Seventiesに紹介されていた。

Life is made up of small comings and goings, and for everything we take with us, there is something we leave behind. In the summer of '42 we raided the Coast Guard station four times. We saw five movies and had nine days of rain. Benjie broke his watch. Oscy gave up the harmonica. And in a very special way, I lost Hermie...forever.

 映画はよくある10代の少年の初体験ものなのだが、とにかくミシェル・ルグランの切ないテーマが名曲すぎて名作化に大いに貢献している。ロバート・マリガンの演出も手堅い。何よりジェニファー・オニールがきれいだった(「スキャナーズ」で再会した時にはあまりの変わりようにビックリしたんだけど)。

 ついでに最初のナレーションとドロシーの置き手紙も引用しておく。これ、DVDを買う前に検索したが、正確なものがあまりなかった。

「わたしは15歳の夏をここで両親と過ごした。当時は今より家も人もはるかに少なかった。島の地理も海の姿もずっと鮮明だった。寂しい所だったが、近所の家族もここに来ていて、結構友だちはいた。1942年の夏にいたのは一番の親友オスキー、2番目の親友はベンジー。自称“猛烈トリオ”だ。丘の家に彼女がいた。顔を見た日から現在まで、彼女とのことほど、わたしを恐れさせ、混乱させた体験はない。もう二度とないだろう。彼女に与えられたあの安らぎ、あの不安、あの自信、そして無力感」
「ハーミー、私は実家に帰ります。分かってください。せめてもの置き手紙です。昨夜のことを弁解はしません。時がたてば、あなたにも分かるでしょう。わたしはあなたを思い出にとどめ、あなたが苦しまないことを望んでいます。幸せになってください。ただそれだけ。さようなら ドロシー」

2009/07/01(水) 「ミレニアム3」注文

 ミステリマガジン8月号を読んでいたら、「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」が7月10日に発売予定とあった。そんなに早いのか。じゃ、amazonで注文しようと思ったら、まだ注文できない。楽天ブックスでもダメ。ハヤカワ・オンラインでのみ注文できた。自分のところでオンライン販売を行っているので、他のネット書店では予約注文をさせないらしい。なるほどなあ。

 ま、ミレニアムシリーズのようなベストセラーは発売日に書店に平積みにされるだろうから、あえて予約しなくても良かったんですけどね。ハヤカハワ・オンラインに書いてあるあらすじは「重大な秘密を守るため、関係者の抹殺を始めた秘密組織。彼らはリスベットを犯罪者に仕立てようと画策するが、ミカエルは仲間を集めて、陰謀に立ち向かう。果たして、リスベットの裁判の行方は?」。なんだか「ミレニアム2」と同じような内容の気が。アメリカではベストセラーの14位に入っているそうだ。第1部が3位、第2部が12位とのこと。第1部を読んだ人は第2部以降も買うだろうから、これから順位を上げてくるのだろう。ちなみにハヤカワ・オンラインでは9日発売となっている。

 同じくミステリマガジンではオットー・ペンズラーがトム・ロブ・スミスの「The Secret Speech」を紹介している。「チャイルド44」の続編で、主人公のレオは殺人捜査課の責任者となっている。ペンズラーは「この恐るべきスリルに耐えられる心臓をお持ちなら、これを読みのがす手はない」と書き、「(「チャイルド44」と)同じように素晴らしい続編」としている。邦訳はいつごろ出るんだろう。

2009/06/20(土) 電子ブックリーダー

 アメリカのamazon.comが電子ブックリーダーKindle DXを発売した。Kindleとしては3世代目。9.7インチの液晶画面が良い感じである。日本ではパナソニックとSONYが電子ブックリーダーから撤退したのとは対照的にKindleは売れているらしい。なぜ日本でうまくいかないかというと、コンテンツがそろいにくいことが要因なのだという。ハードがいくらあってもソフトが少なければ、普及はしない。

 電子ブックには場所を取らない利点がある。本をたくさん買う人なら分かるだろうが、増えてくると、置き場所に困るのだ。僕は買った本をブックオフなどに売る習慣はないので、本は増える一方だ。新しいKindleは1台に3500冊の本が入るという。これなら、どんどん本を買っても置き場所に困ることはない。だからKindleには非常に興味があるのだが、今のところ、日本での発売予定はないらしい。それにKindleは端末が壊れたら、中のデータも一緒に失うというデメリットもある。

 電子ブックリーダーは普及していない代わりに、日本では携帯がその代わりを務めているようだ。auが発売したbiblioは本を読むのに適した構造になっていて、とても欲しくなるが、今の携帯を買ってまだ1年足らずなので機種変更は無理だ。

 普通の携帯でも電子ブックは読める。僕は携帯で本を読むなんて、とケータイ小説をバカにしていたけれど、出張先で飛行機の待ち時間などにちょっと読むには適していると思う。出張には文庫本を持って行くことが多いが、携帯に本が入るなら、荷物にならなくてすむ(飛行機の中では読めませんけどね)。で、初めて電子ブックを買ってみた。新田次郎「劔岳 点の記」。550円。文庫本は720円なので、若干安い。起動してみると、縦書きでページめくりも栞を挟むこともできる。これなら途中まで読んでも、続きを読むのに便利だ。文庫本でも寝転んで読む時には両手が必要だが、携帯なら片手で持てる。データはマイクロSDに移せるので、携帯を機種変更しても大丈夫だろう。マイクロSDが壊れたら、それでおしまいだけど。

 ただし、やっぱり買いたい本が少ない。auのau one ブックも電子書店パピレスも翻訳ミステリの新刊なんてありませんね。出版不況と言われているが、出版社はもっと電子出版に積極的になった方がいいと思う。いろいろな本が電子化されれば、絶版で読めないということもなくなるだろう。新作がないのなら、古典を読むのに使うこともできる。で、青空文庫のデータをテキストにして携帯に移してみた。これで十分読めるのだが、サイズの大きなデータは対応していない。「我が輩は猫である」は700KB以上あったので、そのままでは読めず、章ごとに分割する羽目になった。電子書店パピレスには青空文庫のデータをXMDF形式に移したものが2000冊ほどあった。もちろん無料。これはサイズが大きくても大丈夫だし、栞も挟める。で、「大菩薩峠」とか「ガリバー旅行記」とか、ダウンロードしておいた。

 青空文庫を携帯から読むには暇つぶし青空文庫いつでも携帯 青空文庫などのサイトが便利だ。特に後者はユーザー登録すれば、栞を挟むことができるようになる。数は少ないけれど、ネットを通じて青空文庫を読む時は利用してもいいかな。

2009/06/17(水)ココログでprint.css

 WordPressのテーマの中には印刷用のレイアウトを指定するprint.cssを含むものがある。これはいいなと思ったので、自分のブログにも追加してみた。ついでにココログのブログにも追加できないかと考え、調べたら、@media printとしてカスタムCSSに指定すれば良いと分かった。.sidebar{display:none;}と書くだけでも、サイドバーが消えてすっきりするが、フォントサイズなども調整したい。いろいろ試行錯誤して以下のように設定した。

@media print{
#banner{background-color:#ffffff;}
#banner h1 a{color:#000000;}
#banner h2{color:#000000;}
.content p{font-size:medium;}
.sidebar{display:none;}
.entry-comment{display:none;}
.entry-trackback trackbacks entry-recent-posts{display:none;}
#center{width:100%; overflow:visible;}
.entry-trackback{display:none;}
.entry-nav{display:none;}
}

 リッチテンプレートを使用している場合はCSSのカスタマイズができないので、こういう設定はできない。

2009/06/16(火) 文字化けして消せないファイルを消す

 日本語名のファイルをLinuxなどのサーバーにアップロードすると、文字化けしてしまってFTPから消せない場合がある。というか、そうなった。サーバーの容量からすれば、小さなファイルだが、文字化けしているのは気になる。削除の仕方を調べてみると、SSHでログインしてi-node番号を調べて、という手順が紹介してあった。でもSSHやtelnetでログインできないサーバーもあるのだ。

 FileZillaなら削除できるかと思ったが、そもそも文字化けファイル自体を表示してくれないので無理。さて、どうしようと思い、FFFTPからフォルダごと削除してみたら、消せた。もちろん、削除する前に文字化けファイルのあるフォルダはダウンロードしておき、削除の後、アップロードする。FFFTPはフォルダ削除にrm -rコマンドを渡しているようだ。残念ながら、サーバーのルートにある文字化けファイルはこの方法では消せない(当たり前)。